言い合い
椎名由騎
影の支配者
私には大好きな二人の親友がいる。だがこの二人は性格が正反対ですぐ喧嘩を始める。今日もクラスに遊びにいくと喧嘩が怒っており近寄れないクラスメイトを余所に私は事情確認に声をかけた。文化祭が近い時期に委員長をしている
由紀子の案はこうだ。
「軽食や紅茶を売りにしたカフェがいい」
それに対し香苗の案はこうだった。
「カフェなんて他のクラスもやるだろうし、お化け屋敷をやろうよ。驚かせるの楽しいし」
それ以外にも案は上がったが多数決を取ると、カフェとお化け屋敷でクラスの意見が半々に分かれたと言う。両方をやるには手間が多すぎるということでさらに二人の案が対立する事になっているのだが、別クラスである私が口を挟む訳にはいかない。
「香苗は驚かしたいだけでしょ。楽しませるって考えになっていない」
「カフェだって同じでしょ。のんびりしたい人が集まるだけでゲームやりだす人もいるからダメ」
一向に引かない二人にクラスの全員が近付かずにいると、私はある事を考えて、クラスをあとにした。
そしてホームルームが終わった頃に二人が仲良く私を迎えに来た。
「カフェとお化け屋敷を二クラス合同でやらせてもらえるなんて奇跡だよね」
「そうだね。
「雰囲気険悪だったから言えなかったんだよ。でも合同になったからよかったね」
私はあの時、両方のクラス担任に相談をしていた。その結果、二人の喧嘩が収まったのなら、生徒会長権限を使ってよかったと私は思った。
言い合い 椎名由騎 @shiinayosiki
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