第2話迷宮牢獄


ー普通小説の中から、いや、こういう時チートスキルが発動するものだが

現在こちらにそういうのはない


あるのはーー足だけ

足で歩き回って、脱出を目指すしかないーーまずは合流


しかし、人っ子ひとりいない

ここから先は、灯もないーー薄暗い


夢の中補正があるのか、いくら動き回ってもつかれる心配はない

それだけが、夢から覚めた今、補正というかチートスキルというべきか

のでー存分に、動き回ろうではないか


え、方向感覚?空間認知

んなものない、んなものがあれば、少なくとも彼は、現実でも迷子になることはないだろう

権藤(名字は現実のものと変えております)は、とりあえずダッシュする


特に動きの速いダッシュではなかったが、なんとか、牢獄から抜け出せる

いや、--そこから先は真の意味で「絶望」だった


「うわぁ」

ーー眼下から見下ろす、下の風景わかってはいたが、ここから下に町なんてない

後ろを振り返れば、森

そして、このホテルは森の中に延々と続ているのだ


ーーまーるく、なった円環の輪「みたいなものをも先が見えない

どこまでも続く地平線のかなたに、続いている


ーー汝、日本人か

日本人なら、我の声に耳を傾けよ、、我は、、、汝とともにありしものなり、、

そう白骨化するまで、汝は決して逃がさぬ、、、逃れ得ぬ


壁の文字が歪に見える

「オイオイうそだろ」

ーー海のかなたの礎に沈みしものより、愛をこめて

愛というより、呪いだろと起きた今ならいえるのだが、まだ、この現状でいえるわけがない

まぁ、ここから先ーー脱出は未知のゾーンに進む


ーーここまでで、どこかそれでもリゾート気分というか、どうせ助かるんだろてきな

気分に包まれていたのもある



ーー汝は、永遠に逃がさない、、、海のかなたの、、、同胞より、願いを込めて


とりあえず、ぼーっとしているわけにもいかないー―進む

それしかない

無音

生物の音がしないーーナマズ、イワシ、さば

空気が入る古ぽこぽという音がしないままに、透明なガラスの中からこちらを

じっと見つめる



こうしてみられるといやな気分になるんだよなぁ

ーー泳ぎもせずに、こちらを見る影

じつにいやーな気分だ

夢の中とはいえ、感情は実にリアルに感じる

夢の中だから、batendも起こりえる


ーーこの時、彼はこれが夢であることに気づいてない、だが、自分に起こりえる

batendの結末も

知ってか知らずかーー進という選択肢をとった


ーーいや、あのドアを開けたのなら、もうそうするしかない

そうするしかないのである


ーー時刻は4時30分

まだまだ今日ははじまったばかりだ


次に出たのはとちくるったおっさん集団だ


外国人みたいな顔月の白いひげに、禿げた頭の3人がばっとをぐるぐるぐると

鉄骨に充てている


「あの」

「あの~もしもし~」

そうはいっても通じないーー

それどころか、バットを鉄骨に当てる動作が激しさを増すだけだ


ーー逃げられない、止まらないのである


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(ただの夢がねたもと)迷宮ホテルを突破せよ 暇の三 @13222uygu

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