212日目-③

サキュバスは荷物をまとめてあっという間に魔王城を後にした。

『典使教』の信徒たちは魔王の部下としてまとめて雇うことにしたサキュバスからの頼みだったからだ。

事実上『典使教』を潰したことになるが、彼らが望んでいたことを行った結果なので悪くはないだろう。

『……ってなんで、ラストがここにいるんだよ?馬車でも何日もかかる距離だぞ?』

『ニッ国』から魔王城は何日もかかる距離だ。それをどうやってきたのだろうか。

『キングが寝てからすぐに魔王城に向かったのよ。聖龍に頼んで』

『……なるほど。つうか読んでたのか、抜け出すこと』

『できれば来ないことを期待してたんだけどね』

『悪かったって……』

『なら私が気が済むまで言うことを聞きない』

『へいへい』

渋々ラストの言うことを聞くことにした。

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