212日目-②

『そんなことは許しません!』と後ろからラストが現れた。

『……?なんでここにいるの?』

『今はそんなことどうでもいい!!』

と魔王なのに一蹴された。

『はじめまして。だよね?』

『はい。天使様にお会いでき。光栄でございます』

サキュバスと『典使教』らは膝を下ろし深々と頭を下げた。

『はじめまして、だけどあなたのことは知っていました。身内の中でも密かに有名人でしたから』

『……それは、初耳です』

『だよね。一応、魔の一族だから秘密ってことになってたから。彼も知らなかったはずよ』と魔王の顔をラストは見る。

『だから、この世から消してなんて言わないで』

『……』

『確かにあなたのしたことは、沢山の人を困らせ、傷つけた……それは許されないこと。だけどそれと、あなたがここでキングに殺されるのは別』

『……』

『罪を償って、人を助け、そしてあなたも幸せになりなさい』

『それは……』

『反対?』

『いえ、それは流石に……』

『反対なの?』

『そういうわけでは』

『ちょい、そこまで……たくう、俺が言おうとしたこと全部言いやがって』

『へへへ、ドンマイ』

『まあ、決めるのはお前自身だ。どっちにしろお前や『典使教』を潰したりする気はねえ。頼まれてもお断りだ』

『そ、そんな』

『でもな、部下の失態は上司の失態ってな。何だったら俺も頭下げるし。お前の好きにすればいいい』

『‥‥‥‥』

『出来そうか?』

『‥‥‥‥魔王様』

『なんだ?』

『なら私を幹部から除名してください』

『……』

『贖罪の旅に……でます』

『分かった。いままでありがとな』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る