212日目

目を覚ますと皆は寝ていた。

場所は兵器にした城の中の一つの部屋。

ラストに逃げださないように念押しされていたが、そういう面倒なのはやらない主義なので、『復活の文献』を日記帳から取り出しそっと部屋において、城を抜けだした。外に行くと敵兵の石像が鎮座していた。

圧巻な光景だが明日には石化が解ける。時限式の魔法の為だ。

石化した敵兵の横を過ぎるてからは瞬間移動で飛んだ。

飛んだ先は魔王城だ。

誰もいないはずの魔王城にいたのは『典使教』とサキュバスだった。

『久しぶりだなサキュバス。大変だったぞ、いろいろとな』

『………謎が解けました。そして、すべてを謝りたい』

『まあ、別に勘違いはだれにでもあるだろう』

『まさか魔王様が天使様の為に国々を巡っていたとは……』

『それはこっちのセリフだぞ、まさかサキュバスお前が『典使教』の幹部だったとはな』

『……フォンから聞いていたのですね』

『まあな。あいつが創設者だったなんて聞いたときはさすがにびびったが』

『……争う必要なんてなかったのですね』

『ニッ国を狙ったのも復活の文献を手に入れるためだったってことか?』

『そうです。でも『ニッ国』の城の中には何もなかった』

『それは俺が悪かったな。まさか昔の自分が盗ってたとは盲点だったわ』

『……貴方と戦うことになるのは分かっていました。でもそうするしかなかった』

『フォンに一杯食わされたんだってな。『天使を殺したのは魔王と勇者の一族だってな』

『フォンから話を聞いた時私はあなたと勇者を殺そうと決めました』

『まあ、あいつは自称勇者だけどな。巻き込まれたのはマジでドンマイだな』

『申し訳ないと思っています』

『でも、なんでお前はラストを助けるなんて。どういうつながりだ?』

『私も天使の一族に育ててもらいました』

『え?そうだったの?』

『はい、でも私が魔の一族だったために一族でも内々のことでした』

『そうか。そうだったのか……』

『………魔王さま』

『…うん?』

『私と『典使教』をこの世から決してくれないでしょうか?』

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