213日目

次の日の朝からはラストの指示を受け働いた。

何度も逃げようと試みたが、常に先回りをして逃げるのを防ぐ。

結局逃げることは叶わなかった。

怪我人の手当をさせられている時だった。

『お前さん、若い嬢ちゃんに見張られるなんて贅沢だね。羨ましい限りだよ』

そう言って現れたのは家老だった。

『四六時中見張られている気持ちになってくれよ爺さん……』

『はっはっは大変なようで』

『坊主って呼んだ方がいいのか?』

『……やはり貴方が先々代魔王でしたか』

『俺も記憶を取り戻すまで忘れていたよ……見習いを魔王城で雇っていた時があったって』

『……出会った時から見た目が変わってないとは』

『坊主は悪くねえって。固定魔法で体の成長が止まってることを言ってなかったもんな。それは俺を孫って勘違いするわな』

『いやはや、面目ない限りで。こうして再び出会えたことを喜ばしく思います』

『……あーまあ、そうだな。記憶と体を取り戻した今なら坊主とも戦えそうだ』

『ご勘弁を』

そうして話しているところをラストに見つかり怒られた。

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