211日目-④

魔王が勇者になって【七十二日目】

『具体的にどうするの?』とラスト。

『それはもう、圧倒的にな攻撃でぶっ飛ばすに決まってるじゃん』

『えー野蛮だよそれ』とラスト。

『まあ、冗談はさておいて。あの数の敵を一度に倒すのはこの体だと正直無理かもな』

『そういえば体がまだ勇者と入れ替わったままだったね』とラスト。

『妹の研究の実験にされたと言っておったな。妹ならこの城にいるじゃろ』

『なに!?そいうことは早く言えよ!えーっと――』

『フォンよね名前、記録になくても覚えてるわ』

『……ありがたき幸せです。ラストさま』と少女が応えた。

『そんじゃいってくるわ…って、勇者にも来てもらわないと体交換してもらえないじゃん』

『それなら聖龍が魔王の体を預かってるはずです』

『そっか、なら聖龍に会いに行くか』

『そうね』

『……』

『おい、お前も来いよ』

『よいのか?』

『あたり前だ、ってラストは顔してるし。何十年ぶりにパーティ組もうぜ』

『そうよ、来なさい。嫌って言ったら許さないわよ?』

フォンは嬉しそうに頷いた。

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