211日目-③

魔王が勇者になって【七十二日目】

※魔王本人により頭こと以下省略が代筆を行う。

『どうだ?記憶は戻ったか?』

そっと私は目を空けると、魔王がいた。

『キング!!!!』

私は魔王に抱き着いていた。好きで好きで頬をすりすりしたい衝動に駆られた。

『……痛い。やっぱりこうなったか』

『……』

『まあ、昔のお前は、なんだ、その、めちゃくちゃ俺のことが好きだったよな』

『……うん』

『でも、記憶を失ってるから変な気分だろう』

『……うん』

自分でも信じられなかった。

魔王を見ると抱きしめたい。ずっと一緒にいたい気持ちになる。その反面その気持ちに対して恥ずかしくなる。昔の記憶では私が魔王に……その、デレデレしていた。

『お願いだからこっち向かないで……』

『抱きしめられている状態でお前の顔を見れるかよ』

『………懐かしい光景じゃ。何十年ぶりじゃ』

少女は言葉を漏らした。

『信じる気になったか?』

少女は魔王の言葉を聞いて頷いた。

『ラスト、ありがとなこの日記帳を守ってくれて』

『……抱きしめている時に耳元でささやかないで!変な気持ちになるから!』

『お前から抱き着いて来たんだろうが……』

『これからどうするつもりじゃ?』

『そうだな、よっしゃ不毛な戦争を終わらせる!!って感じだな』


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