211日目

魔王が勇者になって【七十二日目】

※魔王本人により頭こと以下省略が代筆を行う。

燃えて灰になった日記帳から馴染のある声が聞こえた。

私は途端に枯れていた涙があふれ出した。

そして、灰は再び一つに集まり、日記帳の形を取り戻していく。

『……な、なにが。一体起こっているの‥‥‥!?』

少女は目の前で起こる現象に混乱していた。

元の形を取り戻した日記帳は話し出した。

『やいばあさん。よくも僕を殺してくれたな。この借りは重いぞ!なんっつって』

日記帳に書き込まれたインクが、床に滲み出ていく。

インクはやがて人の形を再現し、魔王の姿になった。

『―――よっしゃああああああああああああ!!!!!』

魔王は嬉しそうに叫んだ。

『頭あああああああ、生き返ったぞおおおおお!!!』

魔王は私に抱き着いて来た。

『魔王!!』

『いや、頭じゃない、ラストだ。全部思いだしたぞ!!!』

『記憶がなかったの?っていうか……どうやって‥‥さっき自分から死んだのに!?』


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