210日目-⑳

魔王が勇者になって【七十一日目】

※魔王本人により頭こと以下省略が代筆を行う。

『追いかけっこはお終いにしましょう』

少女が後ろかついて来ていた。少女は魔法を使い、浮遊して追いかけていく。

『来ないで!!』

『いえ、そうは参りません。貴方様には記憶を取り戻してもらわなければなりません』

『嫌!!私に近づかないで!』

『……もう、いいでしょう』

私は再び魔法で作りだした檻に閉じ込められた。

『……』

『これのせいですね、貸しなさい』

『やめて!!お願い!!』

少女は私の持っていた日記帳を無理やり奪い取った。私は言葉を失った。

『‥‥‥そんな‥‥ひどい…』

涙が再び溢れ出した。

『魔王の思いでなのに……魔王との最後のつながりだったのに』

『言ったではありませんか。あのものはニセモノなのだの。目を覚ましてください。魔王も、勇者の一族の生き残りも。もう皆死んだのです』

辛辣な言葉が私の心を締め付ける。

『これによってあなたが洗脳されている理由ね……』

少女は魔王から預かっていた日記帳を燃やした。



『―――いや、生きてるよ?』


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