202日目-⑤

勇者になって【六十三日目】

幹部にしてくれ。そう言われた直後だった。

『ええええええ!?ニンちゃん魔王の幹部になるのおおお!?』と背後から頭の奴の声が聞こえた。あ、不味い、喋っちゃった。みたいな表情をしていた。

『流れ的に俺の仲間になるような流れだったよな』と将軍。

『それはそれ、これはこれなんだよ』とパイモン。

『ちょっと盗み聞ぎは不味いですよって』とヴァンパイア。

どうやら、気になって盗み聞きをしていた様子。

……聞いてたのかよ。まあいいんけど。

『ま、そいうことで人魚はウチの幹部になりました。以後お見知りおきを』

『ちょっと、いいの?ニンちゃん!?魔王だよ!?悪の権現なんだよ!?』と頭は人魚の姉さんに駆け寄った。

『……えらい、悪い言いようだな。まあ、実際そうだから、ぐうの音もないんだけどねぇ』

『……それはそうと魔王様、なぜ連合軍をお創りになられたのですか?』とヴァンパイア。

『……』

……言いたくないなあ。

『魔王様!!』

『――大戦が始まるからだ』


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