202日目-②

勇者になって【六十三日目】

『連合軍!?』と主に魔王軍側が驚いていた。

『そ、連合軍を作ることにしたよ。これからの戦いのためにね』

『これからの戦いとは何ですか魔王様』とヴァンパイア。

『それついて話けど、その前に……』

そう言って人魚へ振り向いた。

『なんでありんすか?』

『ちょっとこっち来い』

皆を広間に置き去りに、人魚の姉さんを上の階に連れて行った。

皆に聞かれたくない話だ。

『その、連合軍の話しなんだけど……賛成?』

『反対でありんす』

……まあ、そうなるよな。取ってくる首と手を組むんだもん。

『そこを何とか!』

『組むのは魔王さんの勝手。好きにしてくんなまし。でもわっちの血は渡しんせん』

ぐぬうううううう。

『なら、お前の秘密喋るぞ』

『秘密?そんな ものはありんせん』

『――お前将軍のこと好きだろ』

人魚の姉さんは顔を真っ赤にした。

……図星かよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る