200日目-⑫

勇者になって【六十一日目】

あーどうしようか。この三人を連れ逃げるか、それとも……。

『おい!爺いいいいいや!?やばいだろうコレ!?城崩れてるぞ!?』

『若様。将軍はこういう時ほど真価が試されるものですぞ。胸を張って座っておればよいのです』

そう言った爺さんは、太刀を手に――抜いた。

崩れる城が一刀両断。

はああ!?この爺さんどんな腕してるんだよ!?

『おおおお!!さすが爺やだな!?』

『お褒めに預かり光栄です。しかし申し訳ございません。この平屋も切ってしまいました』

『おい!!なにしてるんだ爺いや!!?』

飛ぶか――四人は流石にきついか?

『おい忍、避難するぞ』と将軍

『はっ』

そう言って、女の忍びは将軍と勇者という設定の自分を抱えた。

『このおいぼれが先導します、忍さんは後をついてきてください』

『はっ』

崩れる城と崩れる平屋から間一髪で外に逃げる。

――こいつらの相手しながら、将軍の首をするのは骨だな。

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