200日目-⑪

勇者になって【六十一日目】

『つうか、今俺たちのんびり食事していて大丈夫なのか将軍?』

『全く持って問題ないな。こっちには『この爺さん』と配膳してくれる『くのいち』がいるからな』

『できれば、家老、そう及び頂ければ一層嬉しかったのですか』

『身内なんだから、いいだろ?』

穏やか雰囲気を醸し出している爺さんは多分一番の手練れ。

『……城は攻撃されているけど』

『なーに、城なんてまた建てればいい、それに俺がここにいた方が敵が街を狙わなくて済むだろ?』

『……』

『まあ、さすがに魔王軍の幹部だけあってヒヤッとしたがな。影武者を使わざるを得なかった』

『ええ、そうですね若様、今からでも逃げますか?』

『ばーか、それじゃあ敵の思うつぼだろ。いいだよこれで。そのうち敵の大将がこの平屋に乗りこんでくるんだよ』

もう、乗り込んでいるんですが。

『なら、そうしましょう』

―――ドカンッ

城が爆発した。

あー、やべ、もう十分経ったか!?

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