200日目-③

勇者になって【六十一日目】

将軍にはしてらやられた。影武者に魔王軍のことがバレたかもしれない。思い返せば

カロウのあの男も影武者だったのだろう。

『……どうすっかな。当てがあずれた』

再度感知するが、同じように逃げる者が増えている。

『身代わりかな、15、16、いや、もっとだ』

しらみつぶしに影武者を倒しても逃げられる。その上こっちの位置がバレちまう。本当に困ったな。……なんかめんどくせーな。街ごと燃やせば楽なんだけどな。

『だれか、幻惑が得意な奴いねえかな』

幻惑魔法なら、街どころか国に全体にかけても物理的な被害はない。隕石魔法より安全な広範囲魔法。けどチマチマした技なんか会得しようと思ったことねえしな。

その時、背中をつんつんされた。

『……幻惑魔法なら使えます。が?何か?』

『……あ、サキュバスだ』

あ、そうだ合流するの忘れてた。

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