200日目-④

勇者になって【六十一日目】

『……怒ってる?』

『いえ、怒っていません』

『いや、怒ってるじゃん』

『怒ってなどいません!!』

……いや、それは怒ってるでしょ。というか約束を忘れていた。自分が全面的に悪いんです。

『その、ごめんなさい』

平に陳謝。

『……分かりましたから。魔王様頭をお上げください。それで、魔王様は先ほど何を考えておられたのですか?』

『ああ、それなんだけど、広範囲幻惑魔法で敵の大将を揺さぶりたいんだ。影武者が多くててこずっていてな』

『将軍を?なんでまた……』

『……めんどいから、割愛してはなすよ。将軍が超レアな宝を持ってるんだとよ』

『なるほど……って!それって』

『ああ、それで魔法は出来そうか?』

『やってみます』

サキュバスの手元から靄のようなものが出て。大気を徐々に侵食していく。

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