勇者になって【五十九日目】

『魔王様！！申し訳ございません！魔王城は敵軍に壊されてしまいました！！』

転送後、早々に盛大な謝罪をするのはヴァンパイアだ。暑苦しいぐらいだ。

『モウジわケねえ。おでも尻尾巻いて逃げてしまっただ』ガーゴイルもショック受けている様子だった。

『気にすんな、壊されたらまた建てればいい。仲間がいなくなる方が辛いからな』

『魔王様！』

『魔王サマ…』

『そういえば、勇者は連れて来たか？』

『あ、はい。魔王に言われた通りに』

『おｋ、そんじゃ宴でもしますか。初対面の人同士だらけだしっ！ジャンジャン飲んで食って騒ぐぞ！！今日は無礼講だ！』

『うわ、なんか悪い人みたい』そう、頭が呟いた。

だって自分、魔王だもん。

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