198日目

勇者になって【五十九日目】

夜になってみんなは寝てしまった。昼から夜通し騒いだものだから疲れてしまったのだろう。

『お前はまだ寝ないのか?』

『ええ、まだ心が落ち着かないのでありんすぇ。こなに騒いだのは初めてでありんすぇ』

『こういう経験も悪くないだろう?』

『偶になら、悪くないと思いんす』

『ハハッ、それは良かった』

『……彼からは生気が感じ取りんせん。彼を生き返したいのでありんすか?』と人魚はくたばっている勇者(見た目は魔王)に視線を向けた。

『そうだ。まあ、ほんらいは敵なんだけどな』

『……フフフ、まことに妙な人。でもわっちは気に入りんした 。どうかわっちも力にさせてくんなまし 』

『本当か!?ありがとうな!!』

『ええ、……ただ、わっちからも魔王さんにお願いがあるのでありんすが』

『いいぜ、なんでも言ってみそ』

『この国の将軍の首を取って欲しいのです』

『ふぇ?』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る