190日目

勇者になって【五十四日目】

人を攫ってしまった。今は城から逃げて下町の宿に逃げ込んだ。

『逃げないんだな……肝が据わっているな』

尾ひれの生えた女の人を攫って城から逃げた。そんでもって『国宝』を盗り忘れた。

『逃げたら、わっちは逃がして貰えるの?』

『いや、そういうわけには……』

『なら大人しくするほかないではないか』

そう言ってキセルを片手に女は笑った。

『それはそうと、どうしてわっちを攫ったの?』

『そ、その……めずらしいなって思ったから』

『いいわ、わっちは気にしとらんし……お金さえ払ってもらえれば、相手させてもらいんす』

『おk。なら『人魚の血』ってどこにあるか教えて』

『ふふふ、オツ人でありんすね 。わっちがその人魚でありんすぇ』

『えええええええ!?人魚!?』

すごくびっくりした。

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