190日目-②

勇者になって【五十三日目】

『とこで、ぬしは何者かぇ?』

『えーっと、魔王をやっています。地方で』

『ふふふ。ほんに、オツなことおっしゃるお客さんやな』

『その……信じるの?多分だけど大分変なこと言ってる気がするけど』

『ここは、わっちとお客さんだけの世界。そんなんどっちだっていいではないか』

おっしゃる通りです。なんかペースが乱されるな。

『……人魚って本当なの?』

『ええ、まことのことでありんす……』

と女が言った直後、ぞろぞろと部屋の中に帯刀した男の人達がやって来た。

『動くな!神妙にお縄につけ!』

これで捕まるのは何度だろうか。

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