勇者になって【四十三日目】

死闘の末、勇者は『典使者』の司教を倒すことが出来た。特に、あれが強かった、えーっと。あれ。なんだっけ。

『なに、ぶつぶつ独り言を呟いているんすか？』

『いや、頑張った感を出したくて』

『頑張ったっていうか、一瞬で決着つけたのに』

……まあ、そうなんだけど。なんだよ乗り悪いな。

『このあと、どうするっすか？』

『そうだな、歩き疲れたから、ここに一泊する』

『自由なんすね、言っときますけど、ここ魔王軍支部なんすよ』

『ほへーそりゃ、危険だな、でも疲れた』

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