162日目-②
勇者になって【二十六日目】
『ほー珍しい若者じゃな。本が読みたいとは……』
『悪いか?』
『悪いことじゃ。良い顔してるくせして、知性も欲するとはなんと強欲な若者よ』
……ツッコまないからな。
『まあ、待っておれ、今蔵書室を開けるから』
そう言って、少女は懐から小さな鍵を取り出した。
『お前さんには悪いことしたの、最近は誰も本を借りに来なかったもんもんじゃから締め切っておったわ』
『何言ってんだ?』
『こいうこと』
少女が鍵を空中で捻った。カッチ――。何もなかったところに扉が開いた。
『……あんた、本当に何者だよ』
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