第3節 漆黒の龍

第1話

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大変お待たせしました!第3節『漆黒の龍』の開始です。この章は余り長くする予定はありません。まぁ、小見出しからも予想つくと思いますが(笑)。それと、更新が不定期になるかのうせいが高くなってきました。理由はまぁ、学力がね、ちょっと…、とまあ私事で大変申し訳ないのですが、更新が毎週できない可能性が高いです。ですが、更新するときは必ずこの時間にしますので、暇な時にでも覗いてみてください。それでは長くなりましたが、本編をどうぞ。


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優月視点



目が覚めるとそこには意識を失う前と変わらない光景があった。あの活気づいた街並みは消え、更地となっている。都市の壁のあった場所には、ぽっかりと口を開いた穴ができていた。恐らくあそこが黒龍の言っていた神造迷宮なのだろう。太陽はまだ昇っておらず、かといって月があるわけでもない。ほんとに丸五日間寝ていたようだ。


僕は体を起こし、自身の状態を確認する。体は土埃や血で汚れているが、体力、魔力共に回復しており、また、《生贄》で供物とした手足も《獣化:白虎》により再生されている。そばにはリーナの亡骸と、ガウスの遺体があった。

僕はまず《生活魔法》でクリーンと言う魔法を唱え、自身の体を綺麗にする。《生活魔法》は生活に用いる魔法をまとめたもので、クリーンは自身の汚れを落とす効果があった。

クリーンで自身を綺麗にすると、次にリーナにもクリーンをかける。そしてガウスの遺体は《生活魔法》のプチファイアという火種を生み出す魔法を使って燃やす。燃えたのを確認してからリーナの遺体を運び、拠点のあった場所へと移動し、埋葬する。

その後、無事だった拠点の地下に入り、本や食材、調理器具など使えそうな物を持ち出して、アイテムボックスにしまっていく。

そして見つからないように隠蔽すると、周辺の探索を始める。都市の中を歩いていくとどこもかしこも瓦礫の一つもなく、何かが残っている様子もない。


ふと光っている物を見つける。そこは位置的に冒険者ギルドのあった場所であり、何かと見に行ってみると、そこには水晶があった。それはクラスに就くために必要な水晶だった。僕はそれを拾い、クラスに就きたいと念じると、就けるクラスが浮かび上がってくる。


何故これは破壊されていないのか気になったが、どうやら使えるようなので回収しておく。そして迷宮に入る前に、肉を取り出して軽く火で炙り食べる。そして武装を確認する。


夜天一式は《自動修復》や《不壊》の付与により問題なく、腰につけていた小太刀は残念ながら一本は壊れていた。幸いにも血濡れの小太刀は無事であり、ポーチも無事だった。どうやらこの小太刀が全ての衝撃を受け止めていたらしい。壊れた小太刀は昔から使っていたものだったのでリーナの墓のところに一緒に置いておく。


次にステータスの確認と新たなクラスに就く。まずはステータスを確認する。



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名前 : ユヅキ イザヨイ

年齢 : 13

性別 : 男

種族 : 人族

職業 :月天ノ劍帝

Lv : 72

魔力量 :7090/7090

魔力純度 : 7090

魔力強度 : 7090

技量ランク : S+


スキル : アイテムボックスlv.9 空間属性魔法lv.9 付与魔法lv.6 換装lv.10 魔力炉lv.7 帝ノ威lv.6 解体lv.10 料理lv.10 多重無詠唱lv.8 影属性魔法lv.5 操糸術lv.10 闘気lv.10 絶気lv.8 血液操作lv.9 因子覚醒lv.10 生贄lv.9 生活魔法lv.10 魅了lv.8


マスタースキル : 感知lv.10 看破lv.10 魔素操作lv.7 魔銃術lv.3 毒創造lv.7


トランスドスキル:劍帝lv.5 身体超越lv.2


ユニークスキル : 天神ノ才 支配ノ瞳lv.8 獣化:白虎 夜霧lv.1 増幅 月下ノ暗殺者 月天ノ隠帝


称号 : 異世界の英雄 神殺し 死神 絶影 支配者 スケルトン殲滅者 王殺し 神器保持者 月の女神の寵愛 ゴブリン殲滅者 到達者 解き放たれし神の才



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操糸術 : 糸を自在に操れる。


絶気 : 絶気を使用できる。絶気は全てのスキル、魔力、魔法の出力を上げることができる。


血液操作 : 血液を操作できる。レベル上昇ごとに操作できる量が増加する。また操作性が向上する。


因子覚醒 : 自身の内包する因子を覚醒させ、活性化させることができる。因子とは、魔力や血液の素となる物質、他にも色々と対象となる。


生贄 : 対価を支払うことで、その対価に合わせた効果を発揮する。効果内容は対価分スキル、魔法を昇華させる。対価は自身の体又はスキルなども適用される。


魅了 : 周囲の異性を魅了して自身の虜にする。ただし自身より魔力強度が高い相手には効きづらい。


毒創造: 毒生成系統の複合最高位スキル。毒を材料があれば生成できる。又材料の組み合わせにより新しい毒も作ることができる


生活魔法 : 生活に関する魔法を使える。


身体超越 : 身体を超越した者。その身体能力の前では何者であろうと打ち負かされる。各lvごとに特殊スキルが使用可能になる。

常時発動 : 大地の息吹 超加速 千里眼

lv.1 : 限界突破 : 一定時間自身の身体能力を通常時の十倍に引き上げる。

lv.2 : 適応 : 環境に応じて自身の体をその場に適応させる。


劍帝 : 劍の頂。その劍技の前には誰であろうとも斬り伏せられるであろう。各lvごとに特殊スキルが使用可能になる。

lv.1 : 天乃御劍 : 神気を使用することが可能になる。ただし、使用時間に比例して使用後に代償を払う。代償内容は一定時間の魔力の消失と身体能力の激減である。

lv.2 : 剣舞 : 戦闘中に攻撃を受けない限り自身の速度の上昇と剣の威力の上昇。(連なる重みは統合されました。)

lv.3 : 剣士の成長 : 剣士としてのスキルツリーの開放。

lv.4 : 不死者斬り : 不死系統の概念所持者や霊的存在への攻撃を可能とする。また、その相手に対して通常以上に攻撃力が増す。

lv.5 : 神斬り《ゴットスレイヤー》 : 神系統の概念保持者への攻撃を可能とする。また、その相手に対して通常以上に攻撃力が増す。




最初のスキルの《生贄》、《血液操作》、《絶気》、《因子覚醒》は古代に存在していたスキルだ。どれも獲得条件が厳しすぎて獲得するのが難しかったがその分強力なスキルばかりだ。



また、新しく《影属性魔法》を覚えることに成功した。この世界では魔法は地球と違って、先天的に身に付けるのとスキルカードで身に付ける方法以外にも、当人の努力と適性次第で、魔法を習得できるらしい。適性が僅かでも存在すれば魔法を覚えることができる。しかし勿論のこと適性が小さいほどその魔法はその人に向いていないわけで、習得に大変な苦労を要する。


今回は時間的に影属性しか覚えなかったが、僕はいくつか適性があるらしいので今後習得していきたいと考えている。



次にスキルツリーをチェックして、いくつかの項目を上げる。




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名前 : ユヅキ イザヨイ

年齢 : 13      魂位階 : 144

スキルポイント : 18

適性

 ・魔剣適性 : 2/3

 ・聖剣適性 : 2/3

 ・神剣適性 : 2/3

習熟度

 ・長剣 : 3/10    ・短剣 : 5/10

 ・小剣 : 3/10    ・大剣 : 0/10

 ・細剣 : 0/10    ・刀 : 10/10

             └王刀 : 1/10

 ・太刀 : 5/10    ・大太刀 : 0/10

 ・短刀 : 5/10    ・小太刀 : 7/10

基礎

 ・筋力 : 10/20   ・五感 : 10/20

 ・体力 : 10/20 ・バランス力 : 10/20

 ・走力 : 10/20 ・自然治癒力 : 10/20

 ・全耐性 : 15/20  ・直感 : 15/20

  └全異常耐性 : 5/10

特殊

 ・見切り : 5/10  ・斬鉄 : 1/1

 ・粉砕 : 1/1    ・二段飛び : 1/1

            └八双飛び : 1/1

 ・衝撃波 : 1/1    ・振動波 : 1/1

 ・付与増大 : 3/3   ・縮地 : 1/1

  └付与超過 : 1/3   └瞬動 : 1/1

 ・活性化 : 1/1   ・鬼門開放 : 1/1

特殊剣技

 ・七命剣 : 1/1    ・聖光剣 : 1/1

 ・奇跡剣 : 1/1



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どうやら鬼装を破壊したことでスキルポイントが十ポイントも獲得できたらしい。


基礎を全て五ずつ上昇させ、特殊剣技も上げた。特殊剣技は[聖光剣]のように役立つ場合があるからである。

[七命剣]は対象に七回連続で攻撃を与えた時に、敵の命を大幅に削るという技だ。この命というのはいまいち分からないが、実際に使えば分かるだろう。

[奇跡剣]は剣に全ての属性を付与するという正に奇跡の如き技だ。全てといっても基礎属性と特殊属性の計七種だ。


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ここで今更だが魔法の属性の種類の紹介に入る。

魔法の属性は地球と大体同じだが、いくつかこちらでしか発見されてないものもある。

まず基礎属性 : 火、水、風、土

次に特殊属性 : 光、闇

次は上位属性である。

上位基礎属性 : 火炎、水流、暴風、大地

上位特殊属性 : 聖、暗黒

最高位基礎属性 : 焔、海、嵐、地

最高位特殊属性 : 神聖、黒闇


ここまでが一般的な属性であり、次からは更に特殊でレアな属性である。


自然属性 : 氷、雷、毒、影、音

稀少属性 : 空間、付与、召喚、重力

そしてほんの一部のもののみ使用可能といわれる《精霊魔法》がある。

最後に、この世界ではどこにも位置付けされていない魔法が二つ。

禁呪魔法と古代魔法だ。

どちらもロストマジック、失なわれた魔法とされている。しかしSSランク冒険者『禁呪使い』は禁呪魔法の一部を使えると言われているが、それが本当かはそもそも禁呪魔法自体がわからないため判断できないらしい。


以上が魔法の属性だ。


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基礎を上げたことにより体は軽くなり、さらに身体能力が高くなったことが実感できる。僕は次に新しいクラスにつくために水晶を取り出す。水晶を持ち念じると頭に就けるクラスが浮かび上がる。その中に目当てのものを見つける。


〔武の英雄〕


これが僕の求めていたクラスだ。早速このクラスを選択する。すると新たにスキルが追加される。詳細はこうだ。



〔武の英雄〕 … 三つある英雄シリーズの内の一つ。武勇に秀でるクラスであり、武術系クラスの中では最高位である『帝』と同等の性能を誇る。



クラススキル


英雄祝福 … 自身の全能力をレベルに応じて常時大きく上昇させる。


武帝 … 自身の基礎身体能力を大幅に上昇させる。

└・一騎当千 … 戦闘中敵を倒した数に応じて自身の身体能力を上昇させる。

・国士無双 … 一定時間自身の全能力を二倍にする。



英雄とつくクラスは三つあり、ほかに『知』と『魔』が存在する。《英雄祝福》は全てに備わっていて、二つ目は違うと言われている。というのは今まで『武』と『魔』は存在したが『知』は古代に一人だけいたらしく存在しか分かっていないのだ。


今回このクラスを選んだ理由は龍と戦う場合そもそもの話地力が違いすぎるためだ。だからクラスでその差を少しでも埋めようとしたわけである。実際英雄祝福は相当有能で、レベル一でもそれなりの上昇量だ。龍に挑む前に五まではいきたいがそれは運次第といった感じがする。なぜならレベルの上げ方が分からないからである。



とまあ、クラスにも就き終わり、水晶を《アイテムボックス》にしまう。そして次にリーナに貰った魔法具の詳細を《看破》で見る。



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魔封のブレスレット


レア度 : 伝説級


魔力を貯蓄できるブレスレット。貯蓄できる量に限界はなく無制限に貯めることができる。また好きな時に貯めた魔力を使うことができ、貯めた本人でなくても使える。


現在貯蓄量 : 0


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リーナからもらった魔法具は凄い性能をしていた。僕はブレスレットにありったけの魔力を込める。当然魔力枯渇に陥るが、この前の龍の攻撃を凌いだときに慣れてしまったのか、我慢できるようになってきた。また、《魔力炉》もこの前ので使い切ってしまったので、貯める必要があると思い出す。



そして準備も終了したため、迷宮への突入を開始する。



僕は目の前に黒い口を開ける穴へと一歩ずつ踏み込んでいく。リーナが死んだ間接的な原因となった龍への少しの復讐心とリーナの言葉を胸に、僕は今までで最強の敵の元へと向かっていく。



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