第12話



優月視点



僕は白い虎が出現したと同時に《看破》を発動する。



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名前 : 琥珀

性別 : 男

種族 :白虎

職業 :

Lv : 58

技量ランク : A+


スキル : 爪術lv.10 気配察知lv.6 威圧lv.9 体力回復lv.8 魔力操作lv.9 魔力感知lv.7 危機感知lv.9


マスタースキル :身体強化lv.5


ユニークスキル : 月の加護 蒼雷 再生


称号 : 四獣 聖獣



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想像以上に強かった。さらに、《看破》のレベルが足りなかったのか、僕自身のレベルが低いせいなのかユニークスキルと称号の詳細を見ることができなかった。これは前層のスケルトンキングなどは話にならないレベルの強さだろう。



(これは最初から強化の割合を上げていった方がいいな。油断すると一瞬でやられそうだ。)



僕は久しぶりの全力を出せるかもしれないだろう戦闘を前に思考を切り替えていく。

僕は刀を構え《身体強化》を6割まで上げ、さらに足と手に魔力を流す。そして、先程からずっと使用していた《把握》の進捗状況を確認する。



(《把握》はまだまだかかりそうだな。まぁいい早めに終了するのを期待しておくか。

それじゃあ、久々の強敵だし、刀主体でいくか。白虎はスキルから察するに爪での攻撃のようだしね。あとは《月の加護》詳細は分からないけどこの広間は白虎に有利だということだ。上手く月を消せればいいんだけど。そして《蒼雷》これは気を付けなきゃな。)



白虎の方を見ると、先程よりも威圧感が増している。恐らく強化を済ましたのだろう。さらには白虎が淡く銀色に輝いていた。これが《月の加護》なのだろう。



僕と白虎はお互いに距離を取って、互いの隙をうかがう。


少しの静寂の中、動き出しは同時であった。



白虎は瞬間移動のような速さで僕の前に現れる。そしてその前足の爪を振るう。


しかし、僕はそれを予期しており、魔法の発動をする。すると僕の目の前の空間が削り取られる。


そこに白虎の爪が当たると、爪が止まる。



空間属性魔法 空間障壁



要は透明な壁である。その強度は一定だが、無類の強度を誇っており、ほとんどの場合これを破壊することは不可能である。


僕は爪が止まった瞬間に横に回り『円月』を白虎の横っ腹に放つがなんと銀色に輝く毛皮に受け止められる。


白虎は既に体制を立て直しておりカウンターとして爪を振るってくる。



「ガァァ!」



僕は即座に反応してステップでの回避が無理とみると足元に魔弾を生成し、爆発させる。その際足を保護するため魔障壁を足にフィットさせるように展開する。爆発の反動を利用して僕は後ろに飛び、爪を回避する。



「ふぅ。」



息を吐き集中力を高める。そして納刀し、居合の構えを取る。それに対して、白虎は爪に魔力を流す。すると魔力が浮き上がり爪の形をとる。



(まさか、白虎もそれを使えるとはね。ならば僕も使うかな。)



僕は居合の構えのまま刀に魔力を流していく。そして魔力が浮き上がり三本の刀の形を形成していく。


そして同時にそれを放つ。



「ガァァッ!」



月華天真流 魔天まてん 魔空牙まくうが



*********


月華天真流 魔天


月華天真流の技のうち魔力を使うもの。魔天は流派の中でも攻撃に特化している。


魔空牙


居合の構えを取り、刀に魔力を流して浮き上がらせ、三本の刀を形成して刀を抜刀することで飛ばす技。


*********



両者の中間で白虎の三本の爪と僕の魔空牙がぶつかり合う。


結果は互角でどちらの技も消滅する。


その瞬間にどちらも動き出し白虎の爪と僕の刀がぶつかり合う。鍔迫り合いとなり、両者の武器が火花を散らす。


拮抗状態となり、このままでは決着が付かないと判断した僕は勝負に出る。



月華天真流 転月てんづき



*********


月華天真流 転月


受け流しの技。ただ受け流すだけではなくそのまま攻撃に移るという、攻めの技。意味は名前通り月を転がすである。


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僕は白虎の爪を受け流し、『轟天』をガラ空きの胴体に放つ。


それは先程とは違い、威力が乗った強い一撃で白虎の胴体を深く斬ることに成功する。白虎はたまらず後退し、距離を取る。僕はすぐさま追撃を仕掛けようとするが、《危機感知》が発動し、その場から飛び退く。すると、上から蒼い雷が落ちてくる。



「《蒼雷》か。面倒だな。」



僕は追撃をやめ、距離を取り白虎を見る。白虎の周りは蒼い火花が散っており、雷のようなものが走っているのが見てとれた。さらに先程の傷は《再生》により既に癒えており、回復していた。



「ふぅ。ここからが本気ということかな。《再生》も厄介だけど、どうやって《蒼雷》を潜り抜けて攻撃を届かせるかだな。」



僕はまた短く息を吐き集中し直す。そして、《身体強化》の割合を8割にまで引き上げ、魔力を体中に循環させいつでも使えるようにしておく。



白虎の周囲に蒼雷が走る。そして、一瞬の光ののちに頭上から雷が落ちてくる。僕はそれを予測していたため余裕をもって避ける。


その隙に白虎は僕に一瞬にして近づく。それは雷の効果で身体能力も著しく向上しているようで先程とは比べ物にならない速度だった。


白虎は爪に雷を流しているようで、僕は爪を受け止めることはせずに回避していく。


雷が当たらないように立ち回る必要があったため、僕は攻撃も出来ず、回避に専念していた。



しばらくの間白虎の一方的な攻撃が続く。僕はその全てを魔法による空間障壁を使い防いでいく。そして虎視眈々と隙ができるのを待つ。



そして僕がわざと隙を見せた。普段の白虎ならばわざとだと気づけるかもしれなかったその隙に一方的な攻撃をしていたため油断していた白虎はまんまと引っかかった。白虎が爪に魔力を流して爪をコーティングし、僕に向けて必殺の一撃を振るう。


僕は刀の表面を魔力でコーティングし白虎の爪を受け流す。刀と爪がぶつかった瞬間、軽くピリッと電気が体に流れるが、《明鏡止水》による耐性で乗り切ることに成功する。



《明鏡止水》はあらゆる耐性がまとまったスキルであり、その中には当然雷や麻痺に対しての耐性も含まれている。



それにより僕は爪に纏っていた《蒼雷》の雷による攻撃に耐えることができたのだ。しばらく回避に専念したのは時間稼ぎであったのだ。回避中に雷にわざと少し接触して、大丈夫かを調べ、結果大丈夫だと判明したため今、白虎の攻撃を受け流すことに成功したのだ。



僕は白虎が体勢を完全に崩したところに、《閃華》をその背中に放つ。刀は白虎の背中を切り裂き、さらに地面に叩きつける。


そのまま次の技を使う。



月華天真流 魔天 断天魔斬だんてんまざん




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月華天真流 魔天 断天魔斬


上段からの垂直振り下ろし。威力重視の技であり魔天によってそれがさらに引き上げられている。

その魔斬は天をも断つという意味。



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白虎はそれを防ぐため《蒼雷》を高めていくが、僕はそれを《明鏡止水》で突破し、《断天魔斬》を白虎にくらわせる。



「グオオオオオッ!」



それにより白虎の胴体は二つに分かれる。


白虎は痛みによる悲鳴か、はたまた勝者への祝福の雄叫びをあげながら、光の粒子となって消えていった。




(ふぅ。久々にハードな戦闘したな。もう今日はここで休むか、けどその前にドロップアイテムとステータスのチェックだな。)



僕は一息ついたのちにドロップアイテムを確認する。


ドロップアイテムは以下の通りだった。




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白虎の爪


レア度 : 伝説級


白虎の爪。その爪には白虎の聖気が宿っている。



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白虎の毛皮


レア度 : 伝説級


白虎の毛皮。その毛皮は高い強度としなやかさを併せ持つ。白虎の聖気が宿っている。



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スキルカード《獣化:白虎》


レア度 : 伝説級


スキル《獣化:白虎》のスキルカード。使用することでユニークスキル《獣化:白虎》のスキルを習得できる。ただし、一度しか使用できない。

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(なんともまあ、豪華なドロップアイテムだな。それにしても僕は運がいいのかな?希少なスキルカードやマジックカードがまた手に入るなんて。)



僕は早速使用する。いつも通りの現象が起き、アナウンスが流れる。



《ユニークスキル獣化:白虎を獲得しました。》



僕は次に野営の準備をして、武器のメンテナンスを開始する。


メンテナンスが終了したら、次はいつもの魔力訓練を行う。


そして最後にステータスの確認をする。





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名前 : ユヅキ イザヨイ

年齢 : 13

性別 : 男

種族 : 人族

職業 :

Lv : 27

魔力量 :4210 /4210

魔力純度 : 4210

魔力強度 : 4210

技量ランク : AA


スキル : アイテムボックスlv.6 銃術lv.8 体術lv.9 瞑想lv.8 魔力回復lv.6 空間属性魔法lv.3


マスタースキル : 剣王lv.10 感知lv.8 看破lv8

魔力支配lv.10 身体強化lv.9 明鏡止水lv.10


ユニークスキル : 神才 暗絶殺 支配ノ瞳lv.6 増幅 獣化:白虎


称号 : 神童 異世界の英雄 神殺し 死神 絶影 支配者 スケルトン殲滅者 王殺し



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今回は特に際立った変化はなかったが、着実に成長しているのが確認できた。



(明日は朝、先に《獣化:白虎》を試してから次に行くとするか。)



僕は明日の予定を簡単に立ててから就寝する。





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