第5話



優月視点



翌日、次の階層に進むと、今度は森ではなく草原だった。見晴らしが良い分すぐに次に行けそうだが、敵との接敵も多そうではあった。



(今日は戦闘多めになるかな。そしたらスキル試しておこう。)



《感知》で次への階段を見つけ、そこに向けて進んでいく。すると階段の周りに緑色の肌をした人型の魔物を発見した。すぐさま《看破》を使う。



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名前 :

性別 :男

種族 :ホブゴブリン

職業 :

Lv : 18

技量ランク : F+


スキル : 剣術lv.2 指揮lv.2 精力増強lv.4


マスタースキル :


ユニークスキル :


称号 :


________________________



________________________



名前 :

性別 : 男

種族 : ゴブリン

職業 :

Lv : 9

技量ランク : F


スキル : 棍棒術lv.1 精力増強lv.2


マスタースキル :


ユニークスキル :


称号 :



________________________



ホブゴブリンが一体にゴブリンが七体階段の前に

いた。ゴブリンの武器は剣1、槍1、棍棒3、弓1であり、ホブゴブリンは剣を持っていた。



(これは強い方なのか?この世界の標準が分からないな… まぁいい、始めようか。今回は《支配ノ瞳》を使うか。)



スキル発動 支配ノ瞳-把握



スキルを発動した瞬間視界内の全てを把握した感覚になる。そこら辺にある草木やゴブリンたちのことが分かる。次にどう動くのかも未来予知のようにその動作を相手がする前に分かってしまう。



(これは強力なスキルだな。相手のことを把握して戦闘できるなんて。手札を知った状態でできるアドバンテージはとても大きいし。だけどまだレベルが低いせいでホブゴブリンだけ把握が少し遅かったな。これは今後も感知同様に常時発動にしておくか。)



ゴブリンたちを完全に把握したため次は《読心》を使うが、



“●▲◆▼………”



魔物の心の声は何を言っているのか理解出来なかった。



(これは言語を理解して、使える奴にしか意味ないな。だけど、人や龍には有効そうだ。前の階層主みたいなのが出てきたら、また試そう。)



そして最後に《命令オーダー》を使う。



『ゴブリンたちよ、階段の前からどけ。』



するとゴブリンたちは階段の前から退いていく。そして命令を遂行し終わると意識が戻り、困惑し始める。



(成る程。《命令》は言語を理解していなくても発動できるのか。それに発動後は発動中の記憶が無くなると、強力なんてものじゃないな。もう少しデメリットがありそうだがそれは今後見つけよう。)



思考を打ち切りゴブリンたちとの戦闘を始める。しかし、ゴブリンたちは僕には気づいていないようだった。そのため、暗殺に切り替える。


両手にそれぞれ銃を構え、ホブと弓を狙う。弾には魔力を10ほど注ぎ、頭部の眉間の間あたりを目掛け、撃つ。



銃弾は見事にヒットし、ホブと弓を即死させる。それを見届けることもなく走り出し、ホブと弓が死んだことで動揺しているゴブリン共に接近して小太刀を抜き、首を刈り取っていく。


そして全員を殺し終えた後、早々に階段を下り次に進む。



次の階層も草原だった。いつも通り《感知》を発動させ階段を発見する。そして追加で《支配ノ瞳》も発動させ、《把握》を行う。しかし、ここで予想外の発見があった。



(なんで《感知》を使用している範囲全てを把握出来ているんだろう?確かスキル欄の説明は



・把握lv.1 : 自分の見える範囲内の全てを把握できる。支配ノ瞳に表示されているlvは把握のレベルであり、レベルが高いほど把握速度が上昇する。



だったから、《感知》は “見えている” と判定されたのか。ということは、戦闘前に遠くから《感知》を使用、相手に《把握》使ってから戦闘に入る事もできるのか。しかも感知したのが気づかれても遠くからならこっちに向かって来ている時間で完全に《把握》をする事も可能だ。

今後は常時この状態を維持して、どちらもレベルを上げていこう。)



考え終えると、スキルを常時発動にしておく。今度は階段前に魔物はいないようなので、一直線に向かっていく。少しするとすぐに着き、次の階層に進む。勿論次の階層も草原であった。



そして数時間後、


僕の前には10階層と同様、いやそれよりも豪華な扉があった。


今は20階層であり、このまま階層主戦を始めようとしているところである。



(さてと、流石にこの中までは感知が出来ないようだし、もう開けるか。)



そう確認して、扉を開け中に入る。中は10階層と同様に大広間であった。広間の中央まで行くと急に周りの篝火台に火が付く。そして、広間の最奥には青肌のミノタウロスのような魔物が大剣を片手にこちらを見ていた。


僕は急いで《看破》を発動し、《支配ノ瞳》も発動させる。そして奴のステータスを見ることに成功する。



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名前 :アスール

性別 :男

種族 :ミノタウロスデビル

職業 :大剣使い

Lv : 32

技量ランク : C+


スキル : 大剣術lv.5 威圧lv.5 肉体強化lv.4 突進lv.7


マスタースキル :硬化lv.6


ユニークスキル :増幅チャージ


称号 :青色の悪魔


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(今までの奴らと強さが違いすぎるな。マスターにユニークまで持ってるし。それに持久戦はダメだな。体格差がありすぎて基礎体力も違うだろうし。単にめんどいのもあるけど…

まぁ、でも余裕かな。)



僕はすぐさま刀を抜き、《身体強化》を4割まで上げる。さらに魔力を腕と足に流して強化する。


すると相手も《身体強化》を施したのか、大剣を構える。そして、同時に動き出す。


僕と青色の悪魔との戦闘が始まった。

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