プロット(最終バージョン)第四章の前半
■第四章
■イプノスと仲直りをする明久
家を出ていったイプノスを探す。
指輪はイプノスと、まだ精神が繋がっている。
指輪に念じてイプノスを探す。すると、イプノスは近くの公園にいることが判明した。
明久は公園へ向かった。
明久「イプノス。きいてくれ。俺は、もう一度、世界を救うために頑張ってみようと思う」
イプ「そうか。よくぞ決意してくれたのぅ。残念ながら、もう、妾はお主に何もしてやれんが……」
明久「べつに良いさ。近くで見守っていてくれれば、それで良い」
イプ「明久……」
明久「もしも世界を救えたらさ。俺のファーストキス、もらってくれよな」
イプ「ふん。べつに構わんが、お主は妹や西條とすでにキスを済ませておらんか?」
明久「妹は肉親だからノーカンだ。そもそも、そんなこと言ったら俺のファーストキスは母さんだ。
月乃は、小さい頃だからな。物心がついてからのファーストキスを、お前に捧げる」
イプ「人外とのキスもノーカンのような気がするがの……」
明久「ノーカンと脳姦って似てるよな」
イプ「何を急に猟奇的なことを言っておるんじゃ!」
久しぶりのバカバカしいやりとりに、二人は思わず微笑んでしまう。
明久はイプノスとともに、自宅へ帰っていく……。
イプ「真面目な話をして良いか」
明久「俺はいつだって真面目だぜ」
イプ「……お主に世界の命運を託さねばならぬのは、妾に力が足りぬせいじゃ。もうしわけない」
明久「俺さ、指輪に選ばれて良かったよ」
イプ「……そうかの。辛い思いも、たくさんさせたと思うが」
明久「前は、ひとりでも大丈夫だって思ってたんだ。でも、そんなの強がりでさ。本当は、普通に人を好きになったりしたかったんだよ。指輪の御陰で、ちょっとずるいけど、好きな人たちとデートもできたし。それに、いまでは、ちゃんと他人と向き合おうって気持ちになれた。だから、指輪には……それと、イプノスには感謝してるんだ」
イプ「やめんか。お主のようなうつけが殊勝なことをいうのは死亡フラグじゃぞ」
明久「生きて帰ったら、結婚しような」
イプ「絶対に嫌じゃ」と笑顔で答えるイプノス。
■香芝早織と西條月乃を呼びだす明久
呼び出された二人は、落ち着かないようすだった。
明久「俺と……友達になってください!」
深々と頭を下げる明久だった。
返事がないので顔を上げてみると、二人は顔をみあわせていた。
早織「どういうこと?」
月乃「なに言ってんの?」
明久「言葉通りだが? 俺は、香芝さんと、月乃と、友達になりたい。何かおかしいか?」
月乃「なにもかもおかしい。……あんたさ、香芝さんのこと、好きじゃないの?」
明久「好きにもいろいろあるわけだ。いろいろ考えた結果、俺は香芝さんのことを恋愛的な意味で好きなのかは、まだわからん。保留だ。一緒にいて楽しいと思う。できれば、これからも仲の良い状態をつづけて、楽しい学校生活を送りたい。そういうわけで、友達になってほしいと宣言したまでだが?」
月乃「わたしは友達というか、幼馴染みじゃん」
明久「あらためて、俺と友達になってくれ。正直、人を好きになるということが、俺にはよくわからん。香芝さんのことも、月乃のことも、同じくらい、人間として好きだ。まだしばらくは、恋人とか、そういうことは考えずに、二人と楽しくやっていきたい。だから、二人には、俺の友人になって欲しいんだ」
早織「……友達って、どうするの?」
明久「一緒に飯を食ったり、一緒に遊んだりするんだろう。たぶん」
早織と月乃は顔を見合わせた。
そして、二人は微笑んだ。
早織「意味わかんない」
月乃「本当に」
明久「……それで、どうだ? ダメか?」
早織「わたしはダメじゃない」
月乃「わたしも」
明久「じゃあ、俺たちは友達ってことで良いか?」
早織「良いよ」
明久「そういうわけで、握手をしてもらって良いか?」
早織「それは良くないけど」
明久「汗を拭いてからなら良いだろ?」
早織「……なんで、そのこと知ってるの?」
明久「いろいろあってな」
明久は二人と握手をする。ほんのりアモーレが貯まっていく。
いつか、アモーレのことを話せる日が来るだろうか。
いまは、まだ話せない。
地球を救うためとはいえ、自身の欲望を満たすために催眠能力を行使してしまったのだ。
明久「よし。じゃ、まずは友人の証として、俺にビンタをしてくれるか?」
早織「はあ?」
月乃「何言ってんの?」
明久「いろいろ、二人には迷惑をかけたからな。けじめというか、なんというか……」
早織「えいっ」
と明久の左頬をつねる。
月乃「わたしも」
と明久の右頬をつねる。
イプ「頬をつねられてるだけでアモーレが貯まっておるとは……お主、レベルが高いのぅ」
明久(ほっとけ……)
■芽依を含めて、四人で(イプノスを含めたら五人で)遊びに行く
四人で遊園地を満喫する。
月乃と二人きりになったときに話しかけられる。
月乃「わたし、あんたに謝らないといけないこと、あるんだよね」
明久「……なんだ? 胸が小さいことか?」
月乃「なんでそれをあんたに謝らないといけないの……っていうか、茶化さないで」
明久「ああ、わかった」
月乃「わたしさ、彼氏がいるって言ってたじゃん。あれ、嘘だから」
明久「あ? 嘘? どういうことだ?」
月乃「告白を断るための、嘘。ごめん。それだけ」
明久「よくわからんけど、俺も、ごめん」
月乃「もう良いって」
それから、二人で笑いあった。
早織「何話してるの?」と、芽依と一緒にトイレへ行っていた早織が戻ってくる。
いままでにないくらい、楽しい一日だった。
アモーレは十分に貯まっている。
そろそろ閉園が近づいてきた、という段階で、空が真っ赤に染まっていく。
明久とイプノス以外の三人には、割れている空が見えていないようだった。
夕方なのにもかかわらず、まるで昼間かのように暑い。あるいは熱い。
割れた空からは、以前よりも巨大な赤い竜の姿が見えた。
イプ「そろそろじゃの」
明久「ああ。行くか」
芽依「行くって、どこに?」
明久「世界を救いに」
月乃「あんた、何言ってんの? 頭大丈夫?」
早織「明久くん、体、震えてるよ?」
(この遊園地を機に、明久は香芝さんを早織と呼び、香芝さんは明久くんと呼ぶようになっている)
明久「武者震いってやつかな」
芽依「兄さん……」
芽依が明久のことを、ぎゅっと抱きしめる。
月乃「よくわかんないけど、元気出しなよ」と抱きしめてくれる。
早織「えいっ」と抱きついてくる。「えへへ。便乗」
このとき、アモーレが極限まで貯まる。
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ところどころわけのわからないジョークが入っていて、個人的には面白いけれども、一般ウケしないだろうな、と思って外したことがわかりますね。でも個人的には面白い。自分の昔の作品を読んでも面白い。自分の作品が好きすぎますね。だめだな、僕は……。
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