おまけ
初期プロット 第一章
完結しました。
読んでいただきありがとうございます。
ここからは舞台裏というか、初期のプロットを紹介していきます。
もともとはK社の編集さんに見せるための企画書として書いたものになります。
---で囲まれた部分が、今回新しくプロットを読み直したときの感想です。
■タイトル
「催眠術が使えたら」
「催眠術で世界を救う」
「催眠術は世界を救う」……など
---
「催眠術」という単語を使用することは決まっていたようです。
英題は決まっていませんでした。これはカクヨムコンに出そうと思ってから決めたのでした。
---
■コンセプト
昔から根強い人気のある『催眠モノ』
やはりエロい創作物では、簡単に性行為へ発展できるために人気のあるジャンル。
それをあえて日常のラブコメに持ち込んで面白くできないか、という発想。
『催眠』とタイトルについているだけで、思わず手に取ってしまう人もいると予想。
---
催眠モノって、漫画やゲームで昔からあるんです。
でも、ラノベではあんまり見ない気がしたので、そういう部分を狙ってみることにしたのでした。
---
■第一章
■オープニング
主人公、浅木英司(高2、男)は夕食のあと、二階の自室から夜空を眺めていた。
今日は流星群が見られる日らしい。
空を眺めていると、白い光の球が落ちてくる。
どんどん近づいてきて、目の前が一瞬、真っ白になる。
大きな音とともに、庭に何かが落下する。
一階へ降りて見に行くと、そこにいたのは小さな天使だった……。
リカちゃん人形のようなサイズで、白い羽が生えている。ローブを着ていた。
その天使の体は傷だらけで、ボロボロになっている。
とりあえず自室へ、その天使を持ち帰る。
英司は人形だと思い、ローブを脱がせてみた。局部がどうなっているのかを覗こうとしたところ。
天使が目を覚まし、英司に語りかけた。
イプノス『妾はイプノス。眠りを司る者じゃ……』
英司 『俺は英司。特に何も司ってはいない者だ』
あっけにとられつつも、対抗してみた。
結局、イプノスは宇宙から地球を守りに来た存在だ、ということがわかる。
知的生命体の成長を見守る、いわば神のような存在。そこから使わされたエージェントだという。
現在、地球は『巨大赤竜』と呼ばれる知性の低い生命体に狙われている。
その巨大赤竜とイプノスは火星周辺で戦っていたのだが、その戦闘の結果、怪我を負ってしまったらしい。
ひとまず地球へ逃げ延びてきたという。
イプノスは英司に、協力して巨大赤竜を倒してくれと頼む。
というか、協力しなければ世界が滅ぶ……とのことだった。
その代わり、協力してくれるのであれば『催眠能力』を授けるという。
催眠能力を使い、『アモーレ』を溜めることで、イプノスと、契約者である英司、二人の能力が上昇する。
あと一週間ほどで巨大赤竜が地球へやって来る。
それまでに、なんとしてでも『アモーレ』を溜めなければならないのだ。
英司 「わかった。いいよ。一緒に世界を救おう」
イプノス「返事が軽すぎる……。わかっておるのか? お主に世界の命運が掛かっておるのじゃぞ?」
英司 「催眠術で好き勝手にできて、しかも世界を破滅させる竜を倒せるんだろ? 最高じゃん」
イプノス「まあ、お主が良いなら良いのだが……」
催眠能力は、イプノスからもらった『催眠の指輪』を相手に見せれば使えるらしい。
その日は夜ということもあり、イプノスは就寝することになった。
催眠能力について、詳しくは明日レクチャーする、ということだ。
ひとまずイプノスを、布製のペットボトルホルダーに寝かせる。
---
うーん、オープニングは初期プロットのほうが良いですね。そこからストーリーがはじまったほうがわかりやすい。
なんで学校のシーンを入れたかは忘れましたが、導入で主人公の立ち位置とかをわかりやすくしたかったからでしょうね。
もともとは普通にライトノベルとして出す予定だったので、少しくらいスタートが遅れても買った人は読んでくれるだろう、と甘く考えていたようです。
最初からWEBにあげることを決めていたら、もっとスピーディーな展開にしたと思います。
あと、キャラクターの名前が全然違いますね。
どうやって名前を決めたのかはすっかり忘れてしまいました。
イプノスの口調も違います。もっと「のじゃロリ」的なキャラにしていたと思います。
これはS文庫の編集さんに言われて変えました。あんまりそういう部分にはこだわりがないです。作品の本質ではないので。
---
■妹の由真へ催眠テスト
英司は眠ろうと思ったが、催眠術という力を得たことで興奮しているのか、眠れない。
本当に催眠術が使えるのかどうか試してみたくなり、妹、浅木由真(高1)の部屋へ向かう。
由真はベッドの上に寝そべってスマホをさわっていた。
由真「急に何?」
英司「いや~、なんというか、これ、どう思う?」
英司は指輪を見せる。
由真「悪趣味な指輪……」
その瞬間、指輪が妖しく光り、由真の目がとろんとなる。
英司「由真?」
由真「はい……」
なんでも命令が可能な状態になった、ということか……。
いざ命令をするとなると難しい……。
英司「とりあえず、服をたくし上げてくれ」
由真「はい」
素直に命令をきき、シャツをたくし上げる由真。下着が見える。
ついでに妹の胸を揉んでおく。
もしかしたら犯罪ではないか、とは思うものの、世界を救うためなのだ、仕方がない、と自己正当化する。
最高の能力を手に入れてしまった……。と思いつつ眠りに就く。
---
このあたりは公開しているバージョンと大体一緒ですかね。
---
■学校で宇井彩葉に催眠をかける
学校生活。
イプノスは透明になって、英司の肩に乗っている。
イプノス「お主、友達とかおらんのか」
英司 「俺にはイプノスがいるから、他の友達は要らないのさ……」
イプノス「いや、そういう冗談をききたいのではなくてな。真面目に答えるのじゃ」
英司 「いません……」
イプノス「そうか。いや、それで良い。むしろ、契約者は孤独でさびしくて死にかけているほうが良いのじゃ」
英司 「そこまで不幸じゃねえよ」
イプノス「アモーレは、不幸な人間ほど溜まりやすいのじゃ。たとえば、いままで女性と話したことのない人間は、女性と手を繋ぐだけでアモーレが大幅に溜まるが、普段から女性と触れあっている者にとっては日常じゃ。大してアモーレが溜まらん。英司のようにモテない、コミュニケーション能力の欠けた、最低のクズ人間ほど妾の使徒に相応しい」
英司 「そこまで言うか?」
まずは英司がひそかに好きな女性、クラスメイトの宇井彩葉という少女に催眠をかけることになる。
学校で彩葉と二人きりになれる場所へ呼びだす。
登場するなり、突然
彩葉は「ごめんなさい」と謝る。
英司「え? 何が?」
彩葉「えっと、告白でしょ? わたし、いまは恋人とか、そういうのは良いかなって」
告白してもいないのに振られている英司だった。イプノスに笑われる。
ひとまず彩葉に対して催眠を行う。。
すでに昨日、妹の由真に催眠をかけていることもあり、すんなりと催眠状態へ移行することができる。
英司 「とりあえず服をたくし上げてくれ」
と昨晩同様の命令をしたのだが……。
ぼうっとしている彩葉が、本気でビンタをしてきた。
イプノス「うつけめ……」
イプノスが言うには、催眠というのは、その人を素直にする能力だという。
自分の思うがままに人を操ることができる、というわけではないらしい。
昨晩、妹の由真に能力が効いたのは、兄である英司のことを好きだからだ(異性愛か親愛かは別にして)。
まずは好かれてからでないと、自由には操作できない。
地道に好感度を稼いでいく必要がある。
意に反する命令をした場合、その人間の防衛本能が働き、平手打ちをされるという。
英司 「つまり、彩葉さんを全裸にして登校させたりはできないってことだな?」
イプノス「お主、そんな鬼畜なことを考えておったのか……」若干引いているイプノスだった。
そのとき、彩葉と二人きりで話をしているところに、ひとりの少女が通りかかる。
---
ここもギャグも含めてプロット通りかな。
---
■幼馴染み、響子にも催眠をかける
現れたのは、幼馴染みの奥山響子という女性だった。同い年である。
中学三年生の頃から、あまり仲がよろしくない。最近は口もきかないほど。原因は不明。
英司は響子に嫌われている、と認識している。
(本当は逆で、響子は英司のことを好きで、声をかけられなくなった。つい無視してしまう)
彩葉と話していたことを忘れさせるために、響子にも催眠術にかける。
---
このあたりは、まだふわっとしていますね。
幼馴染のキャラを掴みかねているような気がします。
しかし、キャラクターの名前が違うのですごく違和感があります。
---
■自宅
イプノス「クラスメイトの女子と話しただけなのに、アモーレが溜まっておるぞ」
英司 「話しただけじゃなくて、平手打ちもされたけどな……」
指輪を見ると、ゲージが少し溜まっていた。
英司 「それで、アモーレってのを溜めて、どうするんだ?」
アモーレが溜まることで、指輪はさらなる能力を開放することができる。
契約者(つまり、英司)を戦闘モードへ移行させられるという。
英司 「俺が戦うのかよ?」
イプノス「言っておらんかったかの」
英司 「言われてねえ……」
イプノス「まあ、死にたくなければ、頑張ってアモーレを溜めることじゃな」
英司 「俺、格闘技とか筋トレとか、なんもやってないぞ」
イプノス「心配無用じゃ。……試しにやってみるかの」
イプノスが呪文を唱えると指輪が光り、英司の背中から白い羽が生えてきた。
また、杖が手に握られている。
英司 「なんじゃこりゃ」
イプノス「バトルフォームじゃ」
英司 「こんなんで本当に戦えるのかよ……」
そのとき、部屋に妹が入ってくる。
由真 「お兄ちゃん、さっき、なんか光ってなかった?」
ローブ姿を見られた英司は、すかさず由真に催眠をかける。
英司 「そういえば、昨晩、由真に催眠術をかけて、おっぱいをさわれたんだけど、なんでだ?」
イプノス「やけにアモーレの量が多いと思っておったが、お主、実妹の胸をさわっておったのか……。さすがに引くわ……」
引かれていた。
催眠による命令をきいたということは、妹、由真は英司のことを相当程度に好いているらしい。
その後、由真に催眠状態で質問を行う。
英司 「由真、お前、俺のこと好きなのか?」
由真 「大好き……」
英司 「どこが好きなんだ?」
由真 「顔と性格とパンツの匂い」
英司 「顔と性格は良いにしても、最後のなんだよ。こえーよ」
イプノス「顔は並じゃし、性格は悪いし、たぶんパンツは臭いと思うがの」
英司 「お前は黙ってろ」
一通り催眠による質問を行ったあと、由真を彼女の部屋へ帰す。
英司 「妹に好かれてるとか、ないわ……」
イプノス「妹御の胸をさわる兄のほうが、ないと思うのじゃが……」
英司 「これからも、こんな感じで他の人の心を暴くのか」
イプノス「世界を救うためじゃ。仕方あるまい」
英司 「てか、本当に世界が終わったりすんのか? お前、適当言ってないだろうな?」
イプノス「妾を信じよ。ほれ、今日、やけに温かくなかったか?」
(作中は1月末くらい)
英司 「ああ、三月中旬くらいの気温だって言ってたけど……」
イプノス「巨大赤竜が近づいておるせいじゃ。今後、ますます気温が上がっていくことになるじゃろう」
翌朝、またしても三月中旬程度の陽気。異常気象は、しばらくつづくらしい。
ひとまず、世界を救うために美少女を催眠にかけ、アモーレを手に入れることを誓う英司。
ひとまずの目標は、彩葉さんと手を繋ぐこと。スキンシップによるアモーレの確保。
---
妹との会話は、プロットの段階でも生き生きしていますね。筆が乗っている感じがします。
---
そんな感じですね。明日は第2章のプロットです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます