ボイスレコーダー78 第三事件発生時
再開
「おっと、誰かが神社へ来たみたいだ。
暗くてよく分からないな、ズームでっと。
あれは・・・・・・猫マスク?って事は君嶋か?
それに抱えているのは霧縫さんか?!
何があったんだいったい?
どうしてこいつと一緒に居る。
もしかして白野達、君嶋の犯行現場に遭遇したな?チッ誤算だ。
どうしてこうも上手くいかない。
霧縫さんに頼まずに俺が自ら白野に仕掛ければ彼女を君嶋に近づける事は無かったはずだ。
考えていても後の祭りだ。
霧縫さんだけが此処に居るのなら白野は安全なはずだ。
ならもしかしたら来るか・・・・・・」
停止
再開
「最悪だな、神主さんが吊るされた。
君嶋の犯行を止めようとしたんだが相手は狂気に満ちた殺人の鬼だ。
止められず、あまつさえ命を絶たれた。
結果として見る分には心に余裕が持てるがその場を見ているとなると流石に気持ち悪くなるな・・・・・・
後戻りなんて出来ないんだ。
しっかりと目に焼き付けろ、でなきゃ一生後悔するぞ。
電話、白野からか」
停止
再開
「さっきの電話で白野には家とこの神社の二つを教えた。
それにしても依頼として俺に電話してくるなんてな、白野なら命令でだって俺は動いていたのに、どこか変わったな。
それにしても五十万はやり過ぎたか?
まあどうせ当分家には帰らない予定だし、有耶無耶になればいいかな。
白野の息遣いとは別にもう一つ微かに車の音が聞こえてたな。
君嶋と接触して、逃げたはいいが追いかけられたのか。
それよりも、早く神社に行けよ白野、でなきゃお前はまたあの日を繰り返すだけだぞ」
停止
再開
「ヤバいかもな・・・・・・現在霧縫さんが君嶋に連れられて神社の本殿に連れていかれてる。
このままだと死ぬぞ。
君嶋がマスクを脱いだ・・・・・・なんだあの顔は・・・・・・
まるで化け物だぞ・・・・・・・
自傷の痕。
確か他の白野が遭遇した事件の容疑者にも同じ様な痕が残っていた。
これはもしかして薬物中毒と同様の何かなのか?
仮説で言うならそう、人を殺さないと苛立ちはじめ、殺した途端解放される。
容疑者Xは薬物に関係している可能性は・・・・・・ないな。
考えてみたがそれはない、そんな薬物を意図的に作れる奴なんてこの世には存在しない、していたとしたら今頃殺されてるか政府機関の犬にされている筈だ。
っと、どうやらお出ましの様だ。
そうか、そういう事か、考えたな白野。
後ろポケットにみーちゃんから貰ったスタンガンを携帯するとは。
だがこの状況をどうやって打破する?
横に男か?いや、女か、白野の隣でもう一人立っている。
何やら彼女と喋っている様だが、少女一人増えたところでどうにかなるわけ・・・・・・
なんだこれ?
白野が接近しているというのに何故君嶋は動かない?
何か喋っている様だが・・・・・・解像度悪くて音声なしだと何言ってるかわかんねえ。
もっと高いの買えばよかった・・・・・・
ちと脱線したな、話を戻す。
あれから一応白野は君嶋にスタンガンをあてて気絶させた。
だが一体あれは何なんだ?
君嶋の視線を見るに白野ではなく少女の方に視線を向けていたな・・・・・・
君嶋が視線を向けただけで硬直させたあの少女はいったい何者なんだ?
・・・・・・分からない。
だけど一応計画通り事を進めることができた。
後は白野の事後報告を待つのみだな・・・・・・」
停止
再開
「白野から報告があった。
どうやら俺のよみ通り白野は重要な情報を持ち帰ってきた。
これで犯人は・・・・・・こいつしかいないって訳だ。
でも以外だ。何でこいつが容疑者Xなんだ?
不明な点は多い。だがそれと同じくらい確証のある点も多いときた。
それにしても白野にあんな事を言われるとは思わなかったな・・・・・・
何気にショックだ。
俺のせいだってことは分かっていてもついかッとなっちまって怒っちまった。
最低だよな。
それと白野の声が少し上向きになった気がするんだ。
俺じゃ白野を変えられなかったがどうやら白野に出来た友達が彼奴を変化させたんだろうな。
俺が仕掛けた事は役に立ったんだな、それが分かっただけでも良かったよ。
さて、ここからは俺の最後の責務だ。
随分と苦労したが決着をつけに行ってくるとしよう、ボイスレコーダーも今回でおさらばだ。
まあ、万が一よみが外れた場合は仕切り直しになるだろうがそれは無いんだろうな、最悪にも俺はこと事件に関しては外したことは一度もない仕事馬鹿なんでね・・・・・・
みーちゃん、お前がこれを聞いていて、その現状で俺がもしもへましていたら後は頼む。
ボイスレコーダーはこのまま机に置いていく。
どうも別れ際の挨拶みたいで気色が悪いな。
まあなんだ。
俺もみーちゃんも白野も頑張っていこう‼
ってなわけでボイスレコーダー78を終了する。
二人とも・・・・・・有難う」
終了
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