オレンジのチョーカー
えっ!」次の瞬間、響樹はシンディに髪を
シンディは無言のまま、響樹の唇を華麗の唇に重なるように押し付けた。
「うぐぐぐ!」突然の事に響樹は驚く。
「あああ・・・・・・・」静香は傷ついた体のまま、大きなため息をついた。
華麗の首の辺りが輝き、オレンジのチョーカーが姿を現した。二人の体が消えた後に、小柄な少女が姿を現した。
「「あ、あれ、私生きている!」」少女は興奮気味に声をあげた。
その様子を見て、シンディも腕組をしながら呆れた顔を見せた。
「「ど、どういう事なんだ、華麗が・・・・・・・」」少女の口から響樹の言葉が発せられる。
「先に、この首のリングを外してちょうだい。貴方の力なら簡単に外せるでしょう」シンディに指示されたように、カレイは二人の首を力任せに千切った。
「ふう、助かった・・・・・・」静香は呟く。 ただ、その体にはムチによる無数の傷が残っていた。
「「静香、大丈夫か?」」
「響樹、私を庇ってくれて有難う・・・・・・ってその顔に言っても・・・・・・・」静香はカレイの顔を見てガッカリしたような顔を見せた。
「私達は、華麗を見た瞬間に、素質がある事に気がついたの。でも巻き込みたくなかったから、この戦いに!」と言いながらシンディと静香は目を合わした。超人に変身する可能性のことを素質と言っているようである。 また、戦いとはまるで、女の戦いを示しているようであった。
「「え、私もお姉さま達と同じで、強くなったの?!」」能天気に喜ぶカレイに一同は大きなため息をついた。
カレイの姿は背丈こそ低いが、出るところは出ていて、引っ込むところは引っ込んでいる。オレンジの髪を肩まで伸ばしていた。手にはヒーローのようなドライバーグローブを装着している。
カレイは先頭を切って、通路の中を進む。
ドアを開けると、いきなり中庭のような処に、飛び出した。 そこには、何時かの緑色のチョーカーを巻いた男達がいた。
カレイが独特の構えを見せると、その手に長く美しい棒が現れた。
カレイは体を軸にして棒を回転させながら、男達に攻撃を仕掛けた。
超人になる前にも、飛びぬけていた能力を持っていたと思われる彼女は、鬼人のような動きを見せた。
シンディと静香も補助するように戦う。
「カレイちゃん! 凄いじゃない!」
「鬼のような動きだ!」さすがの二人も、カレイの動きには感嘆の声をあげ舌を巻いた。
最後の男の腹部を棒で突いて前のめりになった、緑色のチョーカーを正確に攻撃する。チョーカーが千切れる事によって、男達は人間の姿を維持出来なくなり灰と化した。
男達を全て倒した事を確認した時、タイミングを合わせたように変身が解けた。
「あ、あれ、終わりなの?」華麗が不満げな声をあげた。
響樹がシンディに以前聞いた話によると、一定の時間が過ぎると二つの人格を維持することが困難になり、自然と変身は解けるそうである。
初めて、勇希と変身した時に長時間変身が解けなかったのは、よっぽど相性が良いのだろうと、シンディは少し怒りながら説明した。
むろん、響樹にはシンディの怒りの意味は解らなかった。
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