Close Your Eyes
「あれ正門?」再び、校庭を見ていた響樹は目を疑った。 唐突に二人の男女が歩いてくる。
その顔は見慣れたものであった。その二人組みは・・・・・・嵐子と緑川であった。
不審者が侵入してきた事で、教職員が二人を制止しようと試みたが、容易く跳ね飛ばされ意識を失っていくのが見える。
嵐子が右手を上げて、指をパチンと鳴らした。辺りの景色が少しずつ変化していく。
「また、結界か!?」
響樹は席を立ちあがった。 その瞬間二人と視線が合ってしまう。 緑川の口元がいやらしく歪み、右手を校舎に振りかざした。
「
「きゃー!」生徒達の声が響きわたる。
「
突然の爆発音に生徒達は混乱している様子であった。
響樹も一緒に教室を飛び出そうとする。
「Do not go !」シンディが響樹の腕を掴む。
教室の中も結界の効果が現れたようである。周りの様子は一変した。
「えっ?」
「Hibiki. Close Your Eyes」シンディは響樹の体を壁に押し付けて、彼の前髪に手櫛を差し込みながら囁く。
「なにっ?」突然のことでシンディの言葉の意味が判らなかった。
「響樹、・・・・・・・瞳を閉じて」シンディは優しく微笑んだ。
響樹は躊躇したが、彼女の言葉に従い目を閉じた。
彼の唇に柔らかく、甘い物体が触れる。 響樹は驚きで目を見開いた。
シンディの顔が究極の至近距離にあり、その唇が優しく響樹の唇に重ねられていた。それは、大人の口づけであった。
次の瞬間、二人の体が砕け散り宙に溶けた。
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