地獄の黙示録

 新しい朝がやってきた。 小鳥のさえずる声が聞こえる。

 爽やかな・・・・・・はずが、なぜか息苦しい。 目を開くと柔らかい物体が響樹の顔を挟みこんでいる。


 右手は静香、左手はシンディの胸を鷲掴みにしている。 ということは、目の前の物体は・・・・・・・勇希のものであった。 まさに、おっぱい地獄であった。


「う、ううん・・・・・・あれ?」頭の上で声が聞こえる。

 ゆっくりと目の前の、二つの脹らみが下に逃げていく。その代わりに響樹の目の前に、勇希の顔が現れる。 その距離、数センチ!

「いやー!この変態!色魔!!」勇希は起き上がると、響樹の上に馬乗りのまま悲鳴をあげた。両腕でその大きな胸をガードしている。


「な、なんだ! 嵐子か!」静香の上半身が起き上がる。

「んん、おはよう・・・・・・」目を擦りながらシンディも伸びをしながら起きた。 二人の胸には、痺れて自由が効かない響樹の手が張り付いたままであった。


「・・・・・・・記憶を無くしても」「・・・・・・・変わらない男ね」二人は呆れたように呟いた。

 彼女達の言葉から察して記憶を無くす前の響樹は相当の・・・・・・・だったのかと勇希は顔を引きつらせた。「このド変態!!」勇希の回し蹴りが炸裂した。

 

 響樹の変態レベルがアップしたようであった。



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