72日目
昨年から大変校内で有難くなった事がある。
空調設備の改善だ。
昨年のウイルス騒動で国から支援金が充てられ、設置された空調はとても性能が良く冷えすぎる事も無ければ、教室の一か所に集中する事も無い。
「よう、最近調子はどうよ」
席でくつろいでいると席替えで、離れた位置になった猿殺が久しぶりに声を掛けてきた。
「いいね。外は地獄だけど教室はクーラーのお蔭で快適だよ」
「ん? 」
何か、変な事を言っただろうか? 猿殺が不思議そうに表情を歪めて俺の顔を眺める。そして、ポケットからティッシュを取り出し、こちらに手渡して来た。
「何で? 」と尋ねた途中で意味が分かった。
鼻からすごい速さであったかいものが落ちて、手元を赤く汚す。
「ごめん、ありがとう」と言って受け取ったティッシュを鼻に当てた。
鼻血なんて、いつ以来だ。
「エアコンって、体力減るらしいぞ。運動して体力つけとけよ? 」
猿殺の言葉に「考慮しとく」と言って鼻を押さえていた。
――異世界転生まで
あと28日――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます