71日目

「アイスクリンうまー」


「おい、ベッドの上で寝転がって食うな」

「いいじゃん、暑いんだし」


「理由がわけわからんし、しかも俺のベッドって点が意味不明だ」


 姉は、風呂上がりでラフすぎるだらしない恰好なのに、ベッドから跳び上がった。

「部屋戻る! 」

 何の宣言だよ。


 部屋を出ていく姉を見送った後、俺はパソコンの電源を入れた。


 そこに映し出されたのは、小説だ。


 そう、俺の作品だ。


 あの二人の作品を読むにつれ、何となく。

 いや、それはあまりにも見栄っ張りだ。


 書きたくなったんだ。自分だけの物語を。


 そして、普段とは比べ物にならない程、キーボードに指を走らせる。


「けほっ」


――異世界転生まで

  あと29日――

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