48日目

「ねぇ~帰りにパフェってこうよ~」

 猫なで声でキスミが話してくる。

「私、パス」

 そう断ると、解りやすい程顔を歪める。

「なんで~? 中間も終わった今しかこのチャンスはないよ~?

 てか、滅多にあんた来ないけど、放課後なんかしてるの~? 」


 私は、溜息を吐くと「図書委員の仕事」と短に切った。


「ほら、キスミ。あんまりしつこくすると嫌われるよ」


「え~~?? ど~してぇ?  あたし誘っただけだよ~? 」


「いいから、ほら。わたしが付き合うから、ね? 」

 そう言うと、小学校の頃からの一緒のナギサが私に目配せした。


 私は、右手をふらふらと振って感謝を伝える。


 ナギサの事だから、上手い事フォローしてくれるだろう。


 私は、放課後にクラスメイトと楽しく遊んだりしてはいけないのだ。


――異世界転生まで

  あと52日――

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