47日目
中間試験が終わると、教員は忙しくなる。
採点は勿論、それによって補習が必要な生徒の把握など色々としなければならない事があるからだ。
「おつかれ~麗子先生」
そう言ってアタシにコーヒーを持って来てくれたのは同僚のエツコだ。
「ああ、ありがとう」
アタシがコーヒーに口を付けるのを見はらかってエツコは顔を近づける。
「ねぇ、今日は夜も一緒にいれるよ? 」
こちらを嬉しそうに見つめながらそういうので、少し申し訳ないが。
「すまないが、調べものがあるからね。今日はダメ」
すると、彼女は頬を膨らませて「男に浮気するよ」と言いだした。
「いいよ」と、アタシが言うと臍を曲げたらしい。ヅカヅカと席に戻ってしまった。
さて、どうしたものか。まあ明日謝ればいいか。あいつの好きな駅前のクーヤのケーキでも買って。
アタシはプリントをまとめて立ち上がると、保健室を目指した。
「――なによ。何を調べてるのかくらい、教えてくれてもいいじゃない。恋人に隠し事なんて男みたいだわ」
「……あ~あ、きったないデスク。しょうがないな」
「……? こんな本、昨日借りたんだ? 」
「……腎臓障害患者の過ごし方……? 」
――異世界転生まで
あと53日――
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