「ん？おや、わざわざここを覘いてどうした？

　……もしや、私に用か？」

「そうか、まあ座りなさい。

　コーヒーでも淹れよう」

「さて、では何の相談か尋ねていいかな？

　進路か

　授業内容か

　それとも、別の話か」

「……弟の事？

　ああ、最近もちょくちょく図書室に放課後来てるな。

　……ん？ひ、ひとりだと思う……が？」

「……随分、弟が心配の様だな

　はははは、そんなに慌てなくてもいいじゃないか。

　姉弟で仲が良いのは別に悪い事じゃないぞ」

「ん？

　ああ、連れの娘もいい娘だよ……

　……

　やられたな、やるじゃないか

　まあ、待て。

　こら、そんなに慌てるな。ほら、コーヒー飲め」

「おいおいおい、落ち着けって。

　そんなに訊かれても答えられないだろう。

　それに、そんなに気になるなら、本人達に直接、訊けばいいだろ？

　ほら、今日もきっと来るはずさ」

――異世界転生まで

　　あと６１日――

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