【Wiki小説】破天荒・御令嬢・箱入り娘 

出典: フリー百科事典『ウィキノベリ(Wikinobeli)』


※この項目では、2021年の小説について説明しています。2025年の映画については「 鹿助(2025年の映画)」をご覧ください。


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『戦国時代に転生したJKはお家再興するまでタイムリープする』(せんごくじだいにてんせいしたわたしはおいえさいこうのためにたいむりーぷする)とは、政宗あきらによるライトノベル。イラストは黛クロナ。MKP文庫より2021年から刊行されている。

公式な略称は『さいこー』。『鹿助』と略されることもある。


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ストーリー

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東京都の私立高校に通う女子高生、鴻池 静(こうのいけ しずか)は鴻池財閥のご令嬢として順風満帆な学生生活を満喫していた。

ある日の下校中『偽タピオカミルクティー』という看板に目を引かれ、気が付かずに赤信号を横断。通りがかった大型トラック(日野自動車製)に衝突し、その若い一生に幕を閉じた。


だが、目を開けるとそこは戦国時代の日本、戦場の真っただ中であった。突然の出来事に混乱する内、静はなすすべなく敵軍に捕らえられ、連行される。

手を後ろに縛られ、引き出された先は中国地方を統べる大名・毛利元就の御前であった。元就は静に降伏、つまり家臣にならないかと持ち掛ける。訳の分からない静は頭を下げて助命を願い、これを了承される。


翌日、籠に乗せられた静を待っていたのは、元就の重臣・吉川元春であった。彼は突然に斬りつけて掛かり、静は二度目の絶命を経験する。何も分からぬままに斬殺される最中、彼女は己が生への理不尽に強く憤りを感じ、血に染まった瞳に映る三日月を強く睨んだ。


次に目を開けるとまたしても戦国時代の日本、戦が始まる直前であった。城の名前は上月城こうづきじょう。静が混乱する内に戦が始まり、また捉えられ、同じ様に元春に斬殺される。そして次に目を覚ますと戦の準備をする城内であり、静は徐々に状況を把握していく。


五度目に目を開けた時、静は自分が女子高生ではないこと、戦国時代の武将・山中鹿之助に生まれ変わっていること、そして絶命を経る度に目を覚ます時代が遡っている事を把握した。


十度目に目を開けた時、傍にいたのは主君・尼子義久の娘、華であった。箱入り娘として大事に育てられていたが、その美貌は隣国まで噂されるほどであった。


幼い少女が屈託のない笑顔を向ける姿に一目ぼれした静は、この娘の行く先(尼子家の滅亡と共に亡くなる運命)に涙し、歴史上の山中鹿之助と同じく、主家である尼子家の再興を心に誓う。


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作品解説

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政宗あきらによるデビュー作品。企画時は決してヒットを狙った作品ではなく、著者である政宗あきらが私生活の乱れから自暴自棄となり、全力で悪ふざけをしたと述べており、発売時はMKP文庫での扱いも小さいものだった。


戦国時代を題材としたコメディ作品であり、若年層向けの表現作品ではあるものの、切腹の様子や敵国への略奪行為などが生々しく描かれ、一部ではジャパニーズ・サウスパークとの評価を得ている※要出典


主人公は実在した戦国武将・山中鹿之助をモデルに描かれている。また、ヒロインである華は架空の人物である。


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登場人物

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・山中鹿之助

史上、実在した戦国武将。尼子三傑の1人。優れた武勇の持ち主で「山陰の麒麟児」の異名を取る。毛利家に滅ぼされた尼子家の再興を図り、幾つもの苦難を乗り越えて毛利家と敵対するも、遂には敗れる忠義の武将として江戸時代の講談に有名な人物である。静は鹿之助に転生するが、その事実を把握するのは物語中盤となる。


・鴻池静

鴻池財閥のご令嬢として何不自由なく過ごすも、トラックにはねられ鹿之助として転生する。性格はおだやかで、誰にもナチュラルに接するオープンマインドの持ち主。好きなものはタピオカミルクティーと三日月型のペンダント。

鴻池財閥は江戸時代に実在した、山中鹿之助の子孫が興した鴻池財閥をモデルとしている。史実としては、現代日本において『三菱UFJフィナンシャル・グループ』に繋がっているが、本作では鴻池財閥単体として現代まで残っているという設定である。

尼子華に一目ぼれするが、彼女自身の恋愛対象は男性であった。幾つもの転生を経る内に、性別など余り気にならなくなった模様。


・尼子華

本作のヒロインにして尼子家の箱入り娘。鹿之助を陰ながら慕っていたが、尼子家の滅亡と運命を共にする。静がその使命に目覚めて以降、自身も何かできる事はないかと試行錯誤し、覚醒。幼少の頃より押さえつけていた自我が爆発し破天荒な性格へと変貌を遂げる。具体的には、鹿之助が他の女性と話していると弓矢の稽古を始める、鹿之助が落ち込んでいると薙刀の稽古を始める、鹿之助が出陣すると何故か衣服を(誰もいない所で)脱ぎ始める、等。


・吉川元春

鹿之助の宿敵であり、実在の人物。「三本の矢」の逸話で有名な毛利三兄弟の一人である。詳細は『吉川元春』の項を参照。


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反響

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発売時はあまりにマニアックな内容から売上が伸びず、単行本1冊のみで終了する予定であったという。

発売から3ヶ月後、本作とは何の関係もない所から始まったテレビドラマ「半沢直樹~尼子家滅亡編~」が平均視聴率40%を超えるお化けコンテンツとなり、影響を受ける形でGoogle検索の上位へと本作が伸びる事となった。その結果、売上が突発的に伸び、遂には映画化に至るまでとなった。


なお、本作は必ずしも史実に基づいておらず、SNS上では批判の声も大きく挙がっている。作者が自らのコメントとして「俺の宇宙では火縄銃の命中精度がライフル並なんだよ」と発言し、炎上。無期限のSNS自粛を宣言した。

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