第5話
ここはどこだ...墓地だ。不思議と初めてじゃない気がする。
霧がすごい。前が全く見えない、しばらく歩いていると、 女の人が立っている。はっ!その瞬間おれはあることを思い出した。
初めてじゃない前にもここに来たんだ。そうだ。あの時見た夢…
女の人が近づいてくる。こ、これは同じ夢を見ているのか?
ふと前を見るとこちらへ近づいてきていたはずの、女の人が
消えていた。どこへいったんだ?!おれは周囲をみまわした。
おれの耳元でなにかぶつぶつ言っているのがわかった。
『ひとりずつ・・・』『貴方はだれも助けられないわ』『Vale (さよなら) 』
おれは一瞬凍りついた、こいつだ。俺に夢を見させたのはこいつだ。
そうだ。こいつを見た日から俺は正夢を見るようになった。
でもなんでだ。俺がなにかしたのか?ヒールの音が聞こえる
コツ・・・コツコツ・・・コツ・・・どんどん音が遠くなっている。
その瞬間目の前が霧でいっぱいになり、真っ白になった。
そこに俺は吸い込まれるように、現実に戻された。
はっ!俺は目が覚めた 夜中の3時ぴったり。まだ夜中じゃないか。当然だが、俺はしばらく寝れずにいた。ずっと女の言ったことを考えていた。なんでだ。俺はなにかしたのかと必死に心当たりのあるものを思い出していたが結局理由は分からなかった。ネットで調べたりもしたがどこにも俺が知りたい内容は書かれていなかった。考えすぎたのかおれはいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
今日俺はりんとあすかとアマンモールに行く約束をしていた。
待ち合わせ場所についてからも俺は昨日のことが頭から離れなかった。
というより、考えざる負えなかった。
あすかとりんが笑顔でこちらに手を振っているのが見える。
そうだよな。きっと俺が何かしたからお前ら轢かれそうになつてしまったんだよな俺のせいなんだよな。こいつらと一緒にいる権利が俺にはあるのだろうか。そんなことを俺は考えていた。おれはこいつらを心配させまいと、とりあえず今日1日はこのことを忘れてたのしむことにした。
俺も手を振り返す…
あすか:『気づくの遅すぎやろれい。』
少し怒ったあすかが俺に言う。それを和めるようにりんが挟む。
りん:『まあええやん。てかアマンモール新しく辛麺屋出来たらしいぜ。』りんは辛いのが昔から好きらしい。
あすか:『えー辛いの食べきらんよあたし、』
れい:『あすかは辛いの苦手だもんな。』
りん:『なんだよじゃあれい2人でいこーぜ』
笑いながらりんが俺に言う。
あすか:『うわ。ありえん1人でいきなよもう。』
りん:『ふざけんな。寂しすぎんだろ。れいはいくよな?』
無茶苦茶だ。俺を巻き込むなよ・・・。
れい:『んー俺はアマフル行きたいかな』
ちなみにアマフルはファミリーレストランだ。
あすか、りん:『いいねそれ!』
りん:『俺それ食いたかったんだよなー』
それはようござんした。笑
そして俺らはアマフルまで歩いていた。
アマフルに着き、俺ら3人はそれぞれ食べたいものを頼んでいた。
あすかは相変わらず優柔不断だ。メニューを見ながらずっと、
迷っていた。ここでも決めるのが遅いとりんとあすかが言い合いしていた。またかと思っていると俺の脳内にまた映像が流れてきた。
りん・・・あすか・・・俺・・・3人でアマフルで食事をとっている。
こ、これは・・・
あすか:『えーこれ美味しすぎー』
その瞬間、車がこっちに突っ込んでくるのがガラス越しに見えた。
俺らは固まって腰がすくんだのかその場から動けずにいた。
そして車は俺らの座っている席に直撃し。あすか、りん、俺は衝撃が強かったのか、無惨にとても見てられないほどぐちゃぐちゃになっていた。
また俺は白いもやに吸い込まれるように現実に戻された。
はっ!
あすか:『れい?どうしたん?またなんか見えたん?』
りん:『見えた?どうゆうことだよあすかれいお前なんか見えるのか?』
店員:『お待たせしました!チーズINハンバーグです。』
れい:『お前らここにいたら危ない!』
俺はあすかとりんの手を掴みその席から離れた。
あすかとりんは何がなんだかわからないでいた。
その数秒後・・・ガシャン
映像で流れたのと同じ車が俺たちの座っていた席に突っ込んでいた。
あすかとりんはしばらく瞬きもせずにその状況から目をはなせずにいた。
そしてあすかは不安そうに俺を見つめりんは青ざめた顔で俺を見る。
りん:『れいお前なんでだよ。あすかお前もなんなんだよ。
どういうことなのかだれか、説明してくれよ』
あすか:『りんちょっと落ち着きなよ!』
りん:『あすかお前何か知ってんだろ!!』
りんが大声であすかを怒鳴る。
れい:『りん辞めろ。おれがはなす。』
りんは少し泣きそうな顔で黙った。
れいはあすかに話したように全て話した。
りんはぽかんと口を開けたまんましばらく呆然としていた。
りん:『意味わかんねえよ、もう。ちょっと考えさせてくれ、俺もう帰るわ。』
りんはそのまま帰ってしまった。
おれとあすかはどうしたらいいのか分からずにいた。
そんな中俺の脳内にまた映像が流れる・・・
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