第7話 また登場するのかよ…

鈴華に先輩との出会いを全て伝えた。


「そんなことがあったんですか…」


 鈴華は、その真実を信じられないと言わんばかりに驚いていた。そして、納得もしていた。


「ですよね、そんなことでも無ければあんな凄い先輩と知り合いになんてなりませんよね。でも意外です。あの先輩がまさかオタクだなんて」


 本当に、あの時にあんなことが無ければ、あの色んな意味で凄い先輩には出会うことはなかっただろう。


「もしかして何ですけど、流星さんがライトノベルを好きになったのって…」


「まあ、その考え方が妥当だろうな、もちろんあの先輩の入れ知恵。あの先輩から得た唯一の素晴らしさだ」


「でも、何でその話を私に?」


「何でって、そりゃ別に隠してることじゃないから言っただけだ。鈴華だけ知らないのはあれだろ? まあ知ってるのは俺とおっつーだけだけどな」


 鈴華との会話も一段落つき、そろそろ頼んだ料理が来るころだろう。


「召喚ッ!! あかき煉獄でこの世の全てを焼き尽くせッ!! スパゲッティーッ!!」


 うん、多分だけど今、何が起きてるかわからないだろうから一応説明すると、隣のテーブル席で遊〇王をしている奴らがいる……訳ではない。そう、あの材〇座似の海の家店長さんが、目の前に立っていた。


「あれ? あなたは確か海の家の……」


「ふむ、娘よ、いかにも、我があの時空間を統べるものだ」


 鈴華の問いにぶれてるけど、ぶれてない返答をした。


「でも何でこんな場所にいるんだ?」


「うむ、糞小僧よ、それはだな」


……あ? んだこのパクり似非えせ中二病患者がよぉ……


「我が此処ここ存在る理由……あの地は存在事態が刹那あやうく、この我でさえ、長い間はいられないのだ。ゆえに我は異次元この世界副業バトルしているのだ」


 よくもまあ、そんなにスラスラと言葉が出てくることで… てか副業にバトルはねーだろ。


「なるほどな、つまり海の家は夏のピークが終わると客が来なくなるから、ここで副業しているわけだ」


「なんで流星さんはわかるんですか!?」


「えっと、なんとなくだ」


 まあ、伊達だてにライトノベルを見てきてないからな。


「では我は、戦場に戻らせてもらう」


 ああ、その方がありがたい。


「んじゃあ、俺達も食べたらどっか行くか~」


「そうしましょうか」


 そして、俺達はデートを楽しんだ。

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