2章

第1話 また始まるのかよ…

「あのー、なんでこんなことになってるんですかね先輩。帰りたいんですけど…」


 俺は先輩に質問をした。


 すると先輩は俺の方を向きニコッとする。


「そう言ってくれるな星くん、少しくらいいいだろ?」


 いや、よくないから帰りたいっていってるんんだよ… 先輩だから気をつかってるけどさ。


「いやー、久々にカワイイ後輩と遊べて嬉しいよ」


 うん、こっちは全く嬉しくない。


「先輩、一つ聞いていいですか?」


「何かな星くん」


「なんで俺たち、こんなところにいるんですか?」


「さっきとあまり変わらない質問だね。星くんがフリーフォールに乗りたいって言ったんじゃないか」


「言ってねーよッ! てか今まで冷静気取ってたけどマジでヤバイでしょッ! 何メートルだよ今!?」


 この先輩ヤバイよ。自分から乗りたいって言って俺を無理やり乗せたのに、責任転嫁もいいところだ。


「まあまあ、楽しもうじゃない。恋はフリーフォールとも言うし」


「言わねぇーよッ! てか楽しめるかっ! あっ!止まった!先輩止まりましたよこれっ!?」


「ああ、後は落ちるだけだね。ほら星くん、いい景色じゃない、遠くまでよく見える」


 本当だ。なんて綺麗なんだ… あ、天使が見える………


「星くん、いくよ!」


「え?・・・ッおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」


━━━※━━━


「ふぅ、楽しかったね星くん」


「お、俺は…誰? 私は…誰? 皆……だれ?」


「ほら、星くんしっかりしたまえ、男子のクセにカッコ悪いぞ」


「ぐふッ!」


 気がつくと、目の前には先輩の姿が見えた。


 やっぱりいつ見ても美しい先輩だと、不覚にも思ってしまった。


 それより…何か腹の辺りが痛い、まるで腹パンされたかのように…


「よし、次へ行こうか」


「え、次って…?」


「ジェットコースターに決まってる」


 はあ、もうダメだ…


 何で俺は今こんなことになってしまったのか、それは少々 さかのぼったある日のことだった。

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