第21話 やっとここまできたのかよ…

ピピピピッー!


 目覚まし時計の音が鳴り、朝ということがわかった。まあ、わかったところで何もしないけど。


「流星さーん! ご飯出来ましたよー!」


 一階からは天使…じゃなく、鈴華の声が聞こえてくる。鈴華に呼ばれると、布団から無意識に出てしまう。実に恐ろしい。


 俺は急いで身支度みじたくをし、一階に降りた。ようやくいつもの日常に戻れたことを実感する。でも、一体いつからこれが日常になったんだろうな。


「おはよー、おっ、今日はハンバーグか!」


「はい、流星さんが食べたいと言っていたので」


 まるで新婚の夫婦みたいと馬鹿なことを考えながら、俺は朝食を食べた。


 朝食を食べ終え、学校へ行く準備をした。玄関に行くと、俺より早く身支度を終えた鈴華がいた。


「それじゃ行きましょうか、流星さん」


「ああ」


 昨日、鈴華と話して俺たちは一緒に登校することになった。


「にしても、月曜日かー、ダルい…」


「流星さんっ、ファイトです!」


 そんなこと言われたら死んででもがんばっちゃうじゃん。


「よっ、星おはよう」


 すると、俺の後ろからおっつーが現れた。


「おわっ! いきなり後ろから来んなよ! ビビんだろうが」


「鈴華ちゃんおはよー」


「あ、ひかりさん、おはようございます」


 すると、次はひかりがやって来た。


「にしても、よかったな星、花園さんと仲直りできて」


「本当に、一時はどうなるかと思ったわよ」


「わ、悪かった、二人とも」


「す、すみません本当に」


 そうだよな、二人にも相当迷惑掛けちゃったよな。


「星、次に何かあったら〇すからね」


 こ、怖えーマジ怖えー。


「まあまあ、今回ばかりは星も反省してるだろうし、許してやれよ」 


「お、おっつー…流石俺の親友!本当にありがぐふッ!」


 すると、何かが飛んで来た。……いや、抱きついて来た。


「センパイっ、おはようございます♪」


「お前な!? 抱きつくなよ! まだ懲りてないのか!」


「なんですか、ボッチのセンパイには私がいないとじゃないですか♪」


 イラッ


 で、でもこいつにも色々と助けられたし…抑えろ俺。


「センパイ?……その中指で一体私に何をしようと………や、止めてくださいセンパイ! 早まっては…いったぁーッ!」


 俺は愛奈にデコピンを食らわせた。


「何するんですかセンパイッ!」


「少しお灸をすえただけだ、少しは反省しろ」


「言っておきますけど、私は諦めてませんのでこれからもいつも通りでいきます。鈴華先輩も覚悟しといてください♪」


「は、はい…?」


 朝から賑やかだなまったく、周りから軽く注目浴びてるぞ。 


「星はハーレム系主人公なのかな?」(笑)


「おい、あまり調子に乗るなよおっつー、流石に俺も怒るぜ?」


「おー、怖い怖い」


 おっつーも俺のことおちょくりやがって…


 にしても、これで全員集合だよな。


 こうやって皆といると、やっぱり賑やかな方が楽しいとつくづく思う。


 これから、俺たちがどんな楽しい日常を送って行けるのかがとても楽しみだ。

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