第11話 出会ってしまったです♪

 この世は不平等でできている。平等などきれいごとにすぎないと私は思う。だけど、私は別に平等が嫌いというわけではない。


 私は昔から普通の人とは少し違っていて率直に言うと可愛かった。そのせいで私は周りから特別扱いされてきた。私はそれがとても気に食わなかった。


 特に、人の多いところは最悪だった。通りすぎるたび皆が私を見てくる。それはまるで押し潰されるような感覚だった。誰も私を守ってくれる人はいなかった。


 親ですら、私を自慢の道具としか思っていなかった。


 でも、私のこと普通に見てくれる人はいた。光崎 ひかり・・・ひかりお姉ちゃんだ。


 私にとってはすごく嬉しかった…でも、昔から一緒に遊んでいたからと言うだけにすぎない・・・と思う。


 私は小学校から目立ってはいたが、一部の人から嫌われるくらいで、いじめなどはなく、友達と上手くやっていけた。そして中学生になった頃、私はあることに気がついた。


「特別扱いされるなら、それを逆手に取ればいいじゃん」


 それさえできれば、私に怖いものなんてない。そう思った。それで今の自分がある。


 そしてある時、衝撃的なことが起こる。


  だ。


 そんなことを考えていると、目の前が急に暗くなった。


「どーしたよあいっち?そんなボーっとして」


「ごめんににっち、あとその手をどけて…」


 視界が暗くなったのは、私の親友である(ににっち)。新月にいつき 庭苗ニナが、背後から私の目を覆っていたからだった。


 ににっちは運動が得意でとても明るい性格。ハーフなため、とても綺麗な金髪で髪型はポニーテールという、とても羨ましいスペックを持っている。もちろん顔も可愛い。


 そして、私とは違う意味で場の空気を中和させることが出来る。


 私はその場の空気を上手く読み、流れを穏やかにしていくタイプだが、ににっちは皆を楽しまながら強引にその場の空気を変えてしまう。そんな正反対の私たちだけど、いつの間にか意気投合し、仲良くなっていた。


「もぉー、ショッピングモールを数時間周っただけで疲れるなんて、JK失格だよ」


「でもににっち運動部じゃん、私はフリーだし…」


「彼氏が?」


「部活が!」


 もう!別に私は彼氏がいないわけじゃなくていい男がいないだけだし!・・・あれ?あそこにいるの流星センパイ…と鈴華先輩? 一体あの二人はどのような関係なんだろう。あっ、今、目が合った。


「ににっちごめん!私、急用思い出しちゃった!」


「えっ?ちょッ!あいっちぃー!・・・はぁ、まあいいけど、頑張ってね…」


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