お恨み申します

 夜中にトイレに行こうとしたとき、茶の間に小さなカボチャが置いてあることに気がついた。


 なんでカボチャがこんなところに?


 少し気になったが、今はとにかくトイレに行きたかったので、あとで確認しようと放っておいた。


 だが、用を足して帰ってきてみると、カボチャの姿はどこにも無かった。


 寝ぼけていたのかな?


 私は深く気にせずに、ベッドに戻って眠りに就いた。


 翌朝、妻にそのことを話すと、


「そういえば、使わずに腐らせちゃったカボチャを昨日捨てたんだけど…………」


 と言った。

 

 まさか、そのカボチャが化けて出たとでも言うのか?


 それからも私は、何度かそのカボチャお化けを見かける機会があったが、妻も私も、恐怖などまるで感じなかった。


 しょせん、カボチャはカボチャである。


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