自分と他人
私は別に可愛いものが好きではないが、友達が「かわいい」と言えば私も「かわいい」と言う。
私は騒がしいところが好きではないが、友達からカラオケに誘われれば、ついて行って私も歌う。
私は虫など怖くは無いが、友達が叫べば一緒に驚いてみたりもする。
私が本当に好きなのは、一人で静かに小説を読むことだが、それを友達に言ったことは無い。
友達みんながそれを嫌いだと言えば、好きであり続ける自信が無いからだ。
私が他人と一緒にいる時、私の半分以上は他人で出来ている。
その間、本当の私は心の中でうずくまって、大切なものを抱えている。
大切に、大切に、これ以上なくならないように、しっかりと守っている。
私の全てが、他人になってしまわないように。
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