第11話

 道満は京治から聞いた話を思い出していた。


(2年前のあの日から世界中で恩恵を目覚めさせた人間、"ホルダー"が現れるようになった。その、ホルダー達がダンジョンに入り、モンスターを討伐するのが日常になりつつある。そのホルダー達を管理しているのが、ホルダー協会ねぇ。そして、極め付けはステータスの存在だ。)


「まぁ、今考えたとこで何にもなんねぇか。とにかく、明日に備えるしかねぇか。」


 そう言って、道満は数時間前の京治との会話を思い出す。


「というわけでぇ〜、明日道満君にはホルダー協会に行ってぇ〜、ステータスを測定してもらうよぉ〜。」


「なぜ???」


「ホルダーにはステータスの測定と提出が義務付けられいるからさぁ〜、ステータスがホルダーの強さの基準になるからねぇ〜」


「俺の強さが今どの辺なのかってとこには、興味があるな。」


「でしょでしょぉ〜、そして、最後にぃ君まだ高校入ってないでしょぉ〜。ホルダーの子供達が通う学校があるからねぇ〜。そこに行ってもらうよぉ〜」


「学校だと?!?!そんなもん今更言ってられるか!!!」


「日本も色々変わってるのぉ〜。ホルダーの子供にはその制御をしてもらうための教育機関に入ることが義務なのぉ〜。ちなみに、現在地が東京だから、入るとしたら天堂学園だね。」


「東京だと?!?!」


「そーだよぉ〜?君が発見されたのは、渋谷に発生したダンジョンの中だよぉ??まぁ、安心してよぉ〜、そこの学園長は僕のお父さんだからぁ〜。」


「なにぃぃぃぃぃぃぃ??!!!」


 こうして現在に至る。


(あの野郎、言い出すことが急すぎるんだよ。

東京の学校とか気乗りしねぇ。どーせなら、地元の京都にある。土御門高校が良かったぜ。そーいや土御門っていえば、あの2人は今何やってんだろ。ま、いいか。とりあえず、今日はもう寝るか。)






…………一方、その頃京都のとあるダンジョンでは…………


『さ、さすがは土御門の令嬢だ…』


『し、椎名さん、見た目にそぐわない残酷さだな。』


『わ、私、もう無理っ!ぅぷっ!』


 そこでは、人々が顔面蒼白である方向を見つめていた。


「さすが由那ちゃんだね!!あの量の上級モンスターを一捻りなんだから!」


「由香里ちゃんこそ、あの群れに1体だけ混じってた長久モンスターを倒したでしょ?」


「えへへっ!」


 そこにいたのは、由那と由香里だった。しかし、普通ではないのは2人の周りには夥しい量のモンスターの死体があったのだ。これだけ、十分異常なのだが、さらに異常なのが全てのモンスターの死体が原型を留めていなかったのだ。ある死体は、上半身と下半身が綺麗に分かれており、ある死体は、ただの肉塊となっていたのだ。その光景を言葉にするなら、まさに死屍累々だろう。


「でも、まだ足りない。きっと、彼には届かない。」


「そーだね。もっともっと強くならないとね。」


 2人は感情の読み取れない表情で会話する。その光景にその場にいた人々は不気味さを感じる。


「いつか…」


「必ず…」




「「道満を倒すために……」」


 道満と2人の道は再び交わろうとしていた。

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ジャブで切り拓くダンジョン生活 君麻呂ミサト @kai7277

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