第3話  その頃戸川さんは....

私はヤクザに囲まれあたふたしていた。

こんな路地裏だから人もあまりいないし.....

と思っていたら腰辺りを掴まれ車に乗せられそうになっていた。


「ちょっ、何してんのよ。離してよ!」

「抵抗しても無駄だ。どうせ人なんか来やしねぇよ」

「ねぇ!ちょっと!やめて!」

と叫ぶと人影が見えた。私は救世主だと思うしかなかった。


その人が近づいてきた。ん?何か知ってるような....?

そう考えていると救世主がヤクザを一瞬でぶちのめしていた。


「大丈夫ですか?戸川さん?」

「え.....?」

「立てますか?1人で帰れますか?」

「はい...。」

「じゃあ俺はおいとまします」

「あの...ありが....?」


その男子は消えていた。どんだけ姿を見せたくないんだろう。



でも私はその時初恋を経験したのだった。



「あの人は誰?絶対に突き止めてみせるわ」


そんなことになっていたとは知らない紫央は、『少しやりすぎたか....。』とベッドの上で考えていた。


実は紫央の家は地元でも少ないテコンドー道場で、紫央はまだ痩せていた小1の頃の全国大会優勝者なのだ。


「痩せて少し動きやすくなったな。やっぱり陸上部入っていて良かったな。それはさておきあと1週間で学校が始まるのか。嫌だな。」


夏休みまで紫央は全くと言っていいほどいい思い出がなかった。新しい友達もできず、細々とした中学校生活を送っていた。テストや模試は必ずと言っていいほど満点を取っていたが人の気持ちをあまり考えていなかった為、

とりあえず嫌われていた。

そんなことを考えていた紫央はいつのまにか1週間を過ごしてしまった。




【あとがき】

第3話いかがでしたか?この後紫央の鈍感な性格がまじまじと出てきてくれます。お楽しみに!


あー俺も紫央みたいな青春したい!(本音)


次回 夏休み明けて.....大ピンチが紫央を襲う

次も読んでね!

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