最大の危機?
新居浜市のキャンプ場で、6時半頃起床。昨夜は雨がかなり降り、テントの中では雨音が気になりあまり良く眠れなかった。このまま雨が降り続けたら、キャンプサイトは水浸しになり、テントが水没してしまうかも。そんな不安が頭をもたげていた。
外に出てみると、雨はそれほど降っていない。少し安心した。外の様子をうかがっていると、並んでテントを張っていた、オートバイキャンパーが起きてきた。昨夜、僕より少し遅くにこのキャンプ場にやってきて、同じ木の下にテントを張っていたのだ。その時も少し会話をしていたが、あまりくわしい話はしていない。
ホンダのスーパーカブをアウトドア向けにした110ccのクロスカブに乗る男性は、その荷物やテントを張る手際の良さを見ると、旅慣れている様子。話を聞くと、1週間の期間で四国を旅しているとのことだった。日本一周できるくらいの準備はしているようで、旅についてのノウハウなどをアレコレ話してくれる。そこからはお互いにそれぞれ朝食をとりながら、旅談義。あそこのキャンプ場はよいとか、あそこの道の駅のスイーツはおいしいとか。
クロスカブの人は、この後近くの道の駅にスイーツを買いに行ってから、見近島のキャンプ場へ行くという。オートバイの人は、雨の中でも行動する人が多い。見近島ではトンネルの中にテントを張れば、雨は防げると笑う。何度も行ったことがあるようだった。濡れたままのテントを簡単に片付け、早々と出発準備完了。
クロスカブの人を見送ったあとは、しばらくはテントの中で音楽を聴いて過ごす。本日はずっと雨の予報。どうしたものかとぼんやり考えていたのだが、8時くらいには雨がけっこう降ってきた。このキャンプ場では雨を防げるところはないし、近くの町のネットカフェへでも避難するかとも考えた。しかし、雨の中でテントを撤収するのが嫌だ。もうこのままテントの中で、過ごすことに決めた。本日は何もしないということだ。
テントの中で音楽を聴くのも飽きたころ、納札に住所や名前を書くことにした。出発前に購入した納め札は200枚で、そのうち名前などを書いた100枚は使ってしまっていた。最近はその日に使う分に朝書いていたが、本日書き溜めしておくことにした。時間はたっぷりあるので、すべて書けるだろう。これで、この後は大丈夫。
雨は降ったりやんだりの繰り返し、正午前にかなり強くなってきた。するとテントの地面の部分に、少しだけ水がしみこんできた。フライシートは水をはじいてくれるが、グランドシートとテント下は水に弱い。このままだと水没するかもしれないと、ちょっとした恐怖。
テントサイトは砂地なので水はけが悪い。このまま雨が強くなってくると、水たまりが出来てくる。それがテント下に流れてくると、ちょっとやばいんじゃないか。雨の中傘を差しながら、テントの周りに木の枝を使ってちょっとした溝を作る。溝は最終的に、テント側から離れていくように流れを作っておいた。
テントの中では寝ころんで音楽を聴くだけ。何もしていないのにお腹は減るもので、昼食を作ることにした。ご飯を炊いて、缶詰をバーナーで温めただけの簡単な昼食。最近は米を炊くことが減った。米を炊くには、水につけておく時間が必要で面倒くさい。出来上がったご飯も、美味しいかどうかはその時々で。お弁当やおにぎりをコンビニで買う方が、手軽で美味しい。その分、お金は飛んでいくが。最近では2リットルのペットボトルに入れて持ってきた米が、ただの重りに化していた。
食後はひたすらテントの中で、音楽を聴くのみ。スマホは電波が入らないので、情報は得られず。本当に今回の旅にラジオを持ってこなかったのを後悔。雨が少しやんだときに、テントから出て少し歩いて電波が入らないか試してみる。テントサイトを出て、100mほど行くと電波が入った。そこで天気予報を確認するも、昨日見た予報と変わっておらず、1日中雨予報。さらに夜に雨が強くなりそうとのことだった。
雨が強くなることに不安を覚え、テント水没に備えることにした。テント内の必要のない荷物を防水バッグに入れ、自転車にセット。自転車は炊事棟の雨に濡れないところに停めておく。テントの中に残ったのは、マットにシュラフ、食事に必要なもの、スマホとウォークマンくらい。
この日、一番の活躍したのは、ウォークマンだった。音楽がなければ、暇すぎて死んでいたかもしれない。
夕方も雨は降り続き、いよいよテントが水没しないか心配になってくる。食事に必要なものは、多少水につかっても大丈夫のはず。1番怖いのがマットとシュラフが濡れてしまうこと。寝転んでいると、じわじわとマット側から冷たさを感じるようになってくる。マットをめくると、テント下部には水がしみこんできている。このままだとマットが濡れるのは、時間の問題だ。さてどうするか。
思いついたのは、自転車のカバーをマットの下に敷くこと。自転車は炊事棟で安全だし、防水のカバーをマットの下にしけば、マットが濡れるのを防いでくれるはず。これが正解だったようで、水を防いでくれるし、少し温かくなった。
夕食はインスタントラーメンで簡単に済ます。とりあえずお腹に何か入れておけば良い。さて、夜になると雨がさらに強くなるという予報、果たしてどうなるか、不安なままテントで過ごすことになった。
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