台風一過、青空の下でお遍路
種崎千松公園キャンプ場にて、6時起床。昨夜は時たま突風が吹いたり、暴走族が爆音で走って行ったり、訳わからない人が騒いでいたりと、安眠とはいかなかった。人気キャンプ場なので、夜間に騒ぐアホな連中が発生するのは想定していたが、暴走族は想定外。このキャンプ場を利用することは二度とないだろう。場所は良いけど、環境が悪い。
朝食を食べて、出発準備。本日は台風一過の快晴だが、風がちょっと強い。渡船が運航しているのか、まずはそれを心配する。7時半頃に出発し渡船場に着いた時、ちょうど7時40分の便が出発したすぐ後だった。次の便は30分後。渡船乗り場の待合室で待つことに。待合室の中からでも風の音が聞こえる。外を見ると木々がかなりゆれている。次の便は出るのか、不安になってくる。
8時になって、対岸の船が出航するのを確認するために外に出た。出航するのが見える。しかし、船はなかなか進まない。対岸からだと川を上るような形になり、風と波の影響があるようでゆっくりとしか進まない。見ていて本当にこちら側にたどり着けるのか、と思ってしまうほどだ。なんとか、こちらに到着。
船員さんたちが何か相談している。大丈夫か? そうすると乗船してくださいとのこと。良かった。乗客は私一人。乗り込むと甲板には、波しぶきの跡がある。本当に大丈夫?
出発。対岸へは川を下るような形なので、快適に運行する。無事到着。しかし船員さんが乗船を待っていた人に、断りを入れているよう。この便を最後として欠航になった。「朝はもっと風が無かったんだけどなぁ」と船員さん。時間が経つとともに、風が強くなってきたよう。運が良かった。
無事対岸に渡れたので、33番札所 雪蹊寺を目指す。案内看板がほとんどなく、1度通り過ぎてしまうことに。入り口に山門がなくて、見た目が神社みたいだったのだ。お参りを済ませ、次に向かう。
34番札所 種間寺に到着。渡船を下りてからずっと、坂道も無く楽にこられた。こちらの納経所では、次の35番札所 清瀧寺へのルートを詳しく教えていただく。納経所で順番を待っている時に、壁に貼られたルートマップをしげしげと見ていたので、声をかけてくれたのだろう。
「看板通り行くと、遠回りだから」とのこと。道路にはバス向けのルートが表示されているようで、道幅はあるが遠回りになるらしい。道は狭いが歩き遍路のルートを使う方が良いとのこと。もちろん自転車でも大丈夫と。でも、お寺への最後の坂は、自転車は無理だから押してね! とお茶目にアドバイスをくれる。
教わったとおりのルートを走っていく。しばらく行くと仁淀川を越え、国道に合流。川を越えてからは、大きなお店が建ち並ぶ市街地となった。土佐市の中心地のようだ。家電量販店があったので、GPSとPCをつなぐケーブルを購入。接続の調子が悪かったので、ダメになる前に。その向かいには100均ショップがあったので、こちらでは食材を購入。この先しばらくは野宿ばかりの予定なので、缶詰やラーメンなどを。
国道を離れ山へ近づくと、清瀧寺への坂道があった。斜度はあるし、狭いし、参拝の車もそれなりに通るので、ここもやはり自転車は置いて、歩きでお寺へ向かうことに。最初は車道を進むも、途中から歩き遍路道が登場。それほど山道ではないので、こちらを歩くことに。なかなか斜度のきついところもあり、最後にはダメ押しの階段が待っていたが、なんとか無事到着。
お参りを済ませた後は、景色を楽しむ。山の上のお寺に来た時の楽しみは、山の上からの展望。青空が広がっており、気持ちの良い風景。苦労して上った後のご褒美だ。
この時11時過ぎくらい。お腹がぐぅとなる。朝はしっかりと食べたのに、もうお腹がすいてしまった。土佐市の市街地にはたくさんのお店がある。食べたいものも選び放題だ、さて何を食べようかと考えながら下山する。
次のお寺への道中で、よさげなお店があったら入ろうと。途中、地元のスーパーが目についた。敷地内にはドラッグストアやレンタルショップなどもある。日曜日ということもあってか、駐車場は車があふれている。経験上、こういう地元に愛されているスーパーの、お弁当には外れが無い。店の中に入るとイートインコーナーもあったので、お弁当を買ってこちらで食べることに。お水やお茶も無料で飲めるようになっていた。お弁当は値段の割にボリュームがあって、お腹を満たしてくれた。
次のお寺へ向かうために、海沿いに出る。天気の良い日の海沿いを走るのは、気持ちが良くて最高だ。36番札所 青龍寺へは、宇佐大橋を渡る。その名の通り、大きくて立派な作りの橋だ。橋の上から見る海の景色もきれい。
橋を渡っている途中、ロードバイクのチームが追い越していく。お揃いのジャージを着た、本格的なロードバイク乗りたちだ。この宇佐大橋から始まる横浪黒潮ラインという道路は、オートバイ乗りに有名な絶景ツーリングロード。しかし自転車で走るには、アップダウンが激しいとのこと。本気のロードバイク乗りには、ちょうどよい練習場所なのだろうか。自分には無理だろう、そんなことを考えながら走る。
青竜寺は地図で見ると、ちょっと山の中。しかし、それほど坂道を上ること無く到着。坂道を上らない分、待っていたのは厳しい階段。やはり海沿いにあるお寺は、高台にあるのが基本なのだ。息を切らしながら、頑張って上る。これも修行と自分に言い聞かせながら。
無事お参りを済ませ、元来た道を戻り宇佐大橋を渡る。横浪黒潮ラインは走らずに、湾沿いの比較的なだらかな道を走る。次の札所までは60kmほどある。現在時刻は13時半。お寺への到着は無理そうなので、野宿の出来そうなところを探しながら、走ることにする。
まずは頑張って、須崎にある道の駅まで。到着したのは16時くらいだった。この道の駅は広いのだが、車も多いので、野宿には向いてなさそう。日が暮れるまではまだ時間があるので、先に進む。
もうひと頑張りして、中土佐の道の駅まで。ここから先は七子峠という標高300mほどの峠を越えなければならないので、ここまでにすることに。到着したのは、17時少し前。道の駅のお店から蛍の光が聞こえてくる。お店には入ること無く、テントを張れそうか観察。屋根があり邪魔にならなさそうなところがあった。ここを第1野宿候補地として、近くにある公園も見ることにする。
少し離れた海沿いの公園には、東屋などはなくテントを張るのに適した場所はなさそう。しかし、津波避難タワーがあった。このタワーの下なら、テントを張れるかも。そんなことを考えたのだが、どうもあたりに人がたくさんいる。
よく見ると、望遠レンズをつけたカメラを構えた人たちがたくさん。何を狙っているのかなと思い、訪ねてみる。満月を狙っているとのこと。何か特別なものがあるのかわからないが、満月撮影で有名なスポットのようだった。
ここでの宿泊はあきらめ、道の駅に戻る。しばらくするの日も暮れてきたので、道の駅の軒下にテントを張って、この日は終了とした。
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