『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス
『トムは真夜中の庭で』岩波少年文庫041新版図書 フィリパ・ピアス∥作 高杉 一郎∥訳(岩波書店)2000/06
こちらも言わずと知れた児童文学の名作ですが、私は今回初めて読みました。これは今読んだからそう思うのか、子どもの頃に読んでいたら違ったのかは分からないですけど、素晴らしいですね……!
ストーリーも描写も構成も、ラストシーンまですべてが美しいです。
あとがきとして添付された作者のことばを読むと、何故ここまで精密な描写でここまで緻密な物語を編み上げることができたのか、その理由がわかる気がします。
これがファンタジー本来の可能性なのだ、とも感じます。
その末尾の言葉が印象的です。「私たちはみんな、じぶんのなかに子どもをもっているのだ。」
『星の王子さま』の献辞にも有名な言葉がありますね。「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。」
この心が、ステキな創作物をつくるのかもしれないです。
初出:読書メモ㉝近況ノート2020年10月12日
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