『クローディアの秘密』E.L.カニグズバーグ

『クローディアの秘密』岩波少年文庫050新版図書 E.L.カニグズバーグ∥作 松永 ふみ子∥訳(岩波書店)2000/06



言わずと知れた児童文学の名作ですね。

今回、大人の私が読んで気付いたのは、これってやっぱり大人の「フランクワイラー夫人」の語りなのだよなあという、とってもあたりまえのことなのです。終始大人の目線なのですよね。

でも、これを読んでる子どもたちはそんなことは意識しない。家出をしてきた姉弟たちと同じ目線で美術館生活を楽しむのだと思うのです。


児童文学とは、大人「が」子ども「に」読ませたい本のことです。選別するのは大人なんです。なのでフランクワイラー夫人がサクソンバーグ氏にあてた手紙という、大人が大人に子どもの物語を語る構造は大正解。大人が読んでもおもしろい。

かつ、しっかり子どもを楽しませることもできる。それが名作の条件なのだろうとしみじみです。



初出:読書メモ㉚近況ノート2020年9月20日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る